「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

【特別連載~ネルシーニョ監督の手腕を振り返る~】 最終回「ザ・ラストミッション」 (4415文字)(2014/12/18)

9月17日、日立柏サッカー場でネルシーニョ監督の会見が行われ、2014年シーズン限りでの退任が発表された。

 

この時点で、柏は首位の浦和に勝ち点12差を付けられての8位。現実的に優勝は難しい状況にあった。状況を考えれば、勝ち点6差の3位鳥栖を捕らえての3位と、ベスト4まで勝ち上がったヤマザキナビスコカップ連覇こそが、ネルシーニョ・レイソルの最後のミッションになるかと思われた。

だが、第24節の浦和戦、第26節のFC東京戦で敗れ、監督が「上位戦線へ向けて大事な戦い」と位置付けていた9月の4試合を1勝3敗と大きく負け越した。3位との差を詰めるどころか、柏は9位へ後退。3位・川崎との差も10まで開いた。サッカーでは、残り試合数を越える勝ち点は逆転が難しいと言われており、残り8試合での10差という数字に関して、メディアから「終戦」という声が挙がり始めた。

「ヤマザキナビスコカップの連覇」も、準決勝ではアウェイゴールの差で広島に屈し、夢はかなくも破れた。リーグでの失速とカップ戦の敗退…。タイトルを取り続けてきたネルシーニョ体制は、こんな不甲斐ない形で終わってしまうのか。そんな寂しさが感じられた。

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