「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

澤さんによるセネガル戦振り返り「セネガルも悩んだと思うんですよ」【2018韓国キャンプレポート9日目】-無料記事-

「前半の立ち上がりはセネガル が相当ペースを上げていたし、長友サイドのニアンには苦戦しましたけど、1点を返したぐらいから日本ペースでボールを運べるようになり、大迫にもボールが収まるようになりました。同点ゴールは柴崎のフィードからでしたし、うまい具合に乾、香川が相手の裏に入っていくプレーも増えていったと思います。大迫もすごい強いパスが入ってきているのに収まっていましたし、これは収められなくて仕方ないなという場面もありましたけど、うまくチームが押し上げられるように収めていました。

日本のボール回しのリズムって、多分南米やヨーロッパ、アフリカとも違って独特なんでしょうね。コロンビア戦もそうだったけど、身体能力は相手の方がずば抜けているじゃないですか。そこでアジャストするまで時間がかかるかもしれないけど、慣れれば日本も冷静にプレーできるということは昨日の試合で改めてわかりました。まだグループリーグ突破は決まっていないですけど、引き分け以上でいいので可能性は高いと思います。決勝トーナメントの相手がイングランドになるかベルギーになるか、そういうことは全く考えずに、自力で突破することをだけを考えて頑張ってほしいです。

酒井も良かったと思います。欲を言えばもうちょっと酒井を生かしてくれればなというのはありました。酒井が預けて前に出て行こうとするんだけど、そこにタイミング良くパスを出せるのはレアンドロ ドミンゲスしかいないかな〜とか思って見ていました(笑)。酒井はリーグアンでアフリカ系の選手とマッチアップして慣れているから、そこはもっともっと攻撃でも酒井を使っても良かったのかなという感想です。守備でも酒井は素晴らしかったですね。競り合いも球際も負けていなかったし、ほとんど浮き球の競り合いは酒井が触っていたんじゃないですかね。1対1でもマネを抑えましたし、右サイドからやられた印象はないですね。セネガル も悩んだと思うんですよ、自分のチームのエースが突破できないから、じゃあ次にどういう手を打とうかな…って。でもその打開策もまずはエースを中心に考えるわけじゃないですか。でも酒井サイドは攻略しづらいと思ったから、ニアンに任せることが特に前半は多くなって長友サイドから行っていたんじゃないかと。でもそこも日本は試合を通じて人数をかけて対応していたから、バランスがよかったですね。

ペルーはデンマークとフランスに0−1で負けて2敗。でもよく頑張ったと思います。ペルーの記事を見たんですけど、ペルー国民は全く怒っていないし、むしろ夢と希望を与えてくれてありがとうという気持ちのこもったメッセージが出ていました。おそらく来季も同じ監督が続投すると思うので、また良い体制で次のワールドカップ予選を迎えられると思います。最後、オーストラリア戦に勝って、有終の美を飾ってほしいです。36年ぶりのワールドカップですからね。消化試合とはいえ、そこは国の威信を懸けて戦いにいくはずなので、敗退が決まったからといっても気を抜くことはないと思います」

(取材・文 鈴木潤)

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