「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

DF4 古賀太陽「チーム最多出場。不可欠な主力にまで成長した1年」【2020シーズン選手レビュー】

DF4 古賀太陽

-2020年シーズン成績-

リーグ戦 33試合出場

YBCルヴァンカップ 4試合出場

ちばぎんカップ出場

 

シーズンを通じて主力としてフル稼働し、出場試合数はチーム最多の33。欠場した第23節の湘南戦も過密日程による疲労蓄積による回避である。第20節の横浜FC戦ではネルシーニョ監督からゲームキャプテンを任されるなど、昨季に続いて大きく飛躍を遂げた1年になった。

2020年シーズンの中で、古賀太陽を大きく成長させた出来事といえば、CB陣の相次ぐ負傷である。

ピッチに立った年齢では古賀がもっとも下ではあったが、CB陣の離脱によって「自分がやらなければいけない」と彼の中にこれまでの以上の責任感が芽生えた。以前は年上の選手に引っ張ってもらい、大人しい印象のあった古賀にとっては大きな変化だった。

CBを務めた際には何度か失点に絡み、「自分のせいで勝点を落とした」と自らに非を求めた。ただ、以前の古賀ならばそこでメンタルが下がり、プレーにも悪影響を及ぼしていたのが、「次につなげる」と強い気持ちへと切り替えることでパフォーマンスを維持していく。

ビルドアップには兼ねてから定評があった中で、最終ラインから繰り出す鋭い縦パスはチームの攻撃にスイッチを入れる役割を果たした。第15節のG大阪戦では試合開始早々にオルンガの得点をアシストするスルーパスを放ち、後半にも呉屋大翔へ鋭いスルーパスを通して決定機を演出した。

オルンガが移籍した新シーズンは、チームとしてのビルドアップで相手をいかに剥がし、良いパスを前線に供給できるかが問われる。古賀はその鍵を握る選手の一人だろう。

YBCルヴァンカップ決勝で敗れたときには悔しさのあまり涙を流した。

「このままでは終われない。絶対にタイトルを取って、この悔しい気持ちを晴らす」

古賀は決勝で敗れた悔しさをバネに、新シーズンに向けてタイトル獲得を誓った。

チームに不可欠な選手にまで成長した2020年だったが、まだ22歳と若いとあって新シーズンでも飛躍的な成長が期待される。五輪代表、A 代表、そして揺るぎない柏の中心選手へ。古賀はまだまだ伸びる。

(取材・文 鈴木潤)

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