サッカーの羅針盤

【代表うぉっち】[U-19]久保建英&宮代大聖の創造的なコンビネーション


■AFC U-19選手権準々決勝 日本vsインドネシア

久保建英(横浜F・マリノス)との”ダブルワンツー”から宮代大聖(川崎フロンターレU-18)が日本が貴重な2点目を決めたシーンはイマジネーションが噛み合った見事なゴール。影山雅永が率いるU-19日本代表が世界の切符を勝ち取るための大きなゴールだ。

本当に5分、10分くらい前から何回もああいう形で受けられていた」(久保)

後半25分、右サイドのハーフウェーラインを少し越えたいちでボールを受けた久保建英は後ろから迫り来るディフェンスを左腕でブロックしながら中の宮代にショートパスを出す。宮代は2人のディフェンスに迫られるが、タイミングよく2人の合間に顔を出した久保にリターンパス。久保はその勢いで一気に縦を突くと、そのまま二人のディフェンスがついてきた。

面白かったのは宮代がパスを出した後、わざとタイミングを遅らせて縦に動き直したこと。こうすることで、そのまま久保にマークを預けて、自分はペナルティエリア内にフリーで入っていけるというイメージだろう。久保がペナルティエリア内の右端で二人を引きつける間に、宮代がインサイドへと飛び出す。

ディフェンスの背中を取る動き。久保は、その宮代が自分から見て二人のディフェンスの間に来る瞬間を逃さなかった。右足でバックステップを踏みながら、小さな左足の振りで少しだけ浮かせたパスを宮代に届ける。「2人の間から大聖が見えたタイミングで出した感じですね」と振り返るが、流れの中で感覚をつかんでいるからこそ、タイムラグなく通せたパスだ。

あの前から本当に何回か、何回も、大聖とボールをつなぎながらというのがあって、自分の方にマークが増えたら大聖が逆に戻して。(キャプテンの齊藤)未月が俺のところにマークが集中するだろうから、簡単に離してまたもらった方がいいよと言っていたので、それが効果的に出たかなと思います」

そう語る久保から絶好のパスをもらった宮代。左足のファーストコントロールから素早く右足でボールを捉えたシュートはディフェンスのブロックに当たり、少し方向が変わりながらゴールに吸い込まれた。厳しい角度で、結果的にはニアを消してきたGKの逆を突くような形になったが、記録は宮代のゴールとなった。

自分も点を取ってチームを勝たせる気持ちが強かった。それが結果に出たのかな」(宮代)

前半40分に東俊希の”スーパーゴール”で先制したものの、後半には大雨の降りしきる中で何度も苦しいシーンを迎えていたU-19日本代表を救う追加点をもたらした二人のコンビネーションは見事だった。

「(取材のコメントで)いつも自分は〇〇選手ってつけているんですけど、今日だけはちょっと(笑)。大聖が結構トラップがうまかったので、後はなんか入るだろうなあと思って見ていたら、うまくシュートが入って。でも全然俺の方来てくれないので、それはベンチに行くだろうなというのはありましたけど、来てくれよって感じですね」(久保)

2001年生まれの久保と2000年生まれの宮代。昨年のU-17W杯でもコンビを組んでいたホットラインが今後さらなる創造性をピッチで見せてくれることを期待したい。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ