サッカーの羅針盤

【トリニータうぉっち】「エリア内の釣りキチ」三平和司は残り2試合でゴールと昇格を釣り上げるか

今季のJ2も残り2節となり、上位7クラブが昇格の可能性を残す大混戦となっている。現在2位の大分はホームでツエーゲン金沢、最終節はアウェーでモンテディオ山形と、中位ではあるものの一癖も二癖もある嫌らしい相手との対戦が続くだけに、片野坂知宏監督の采配はもちろん選手のギリギリの中での集中や奮闘が生命線になってきそうだ。

昇格を争うライバルたちはいるが、2勝すれば文句なく2位以内での自動昇格が決まる。そのためには失点のリスクに向き合いながらも前からゴールを取りに行く姿勢が重要になって来る。「体を張ってチャレンジャー精神でやらなくちゃいけないなと思います。この前みたいに固くなっちゃうと微妙なので」と語るのはFWの三平和司だ。

”この前”というのは1ー3で敗れた横浜FCとの上位対決。「やっぱ負けちゃいけないとか、どうしても勝ち点1が欲しいという気持ちが強くて、なかなか前にいけなかったりとかあったので、もちろん失点するのは怖いかもしれないですけど、もっと前から行ってよかった」と三平は反省点をあげ、残り2試合でそうならないことが大事であると強調する。

後ろから繋いできてくれたボールを自分たちのところで体張って保持しなくちゃいけないと思いますし、得点取らないと勝てないので、相手より体を張ることが一番大事だと思います」

前線のアタッカー、主に[3ー4ー2ー1]のシャドーの一角を担う三平はここまで10得点を記録。またJ2随一の得点力を誇るトリニータでチェイシング、アシスト、サポートなど多くのゴールに関わっている。とりわけ三平が前線でボールを掠め取ってからのショートカウンターはポゼッションをベースとする大分の貴重なアクトンとになっている。

(第38節ジェフ千葉戦では見事なチェイシングでGKからボールを奪いゴールを決めた)

いやまあ、自分一人じゃなくて周りの連取が連動してくれるからできることであって、ほんとサボる選手がいるとできないことなんで、もちろん相手の見えずらいところから入ろうとは考えてプレーしてますけど、結果今年は結構取れていていい感じだと思います」

そう語る三平は前線のコンビネーションにおいても重要な役割を果たしている。

3トップの時は頂点の選手が先に動いてくれるので、その選手と動きが被らない様に動けば空いてるスペースに入れる。前の選手を観て動いているというか、とりあえず前に入ることですよ。そうしないと点が入らないので、スプリントを相手より早くすることを意識してます」

そう語る三平は試合の流れを見ながら相手と駆け引きし、隙を見ながらゴール前でフィニッシュのポイントを見つけていく名人だ。そのプレーは三平が趣味にしている釣りにも通じるものがあるかもしれない。三平と釣りで思い出すのは『釣りキチ三平』だ。

三平と書いて「みつひら」と読むが、PCなどでは「さんぺい」と打った方が一発で漢字変換できる。実際に「さんぺー」の愛称で親しまれ、ツイッターのアカウントも「@sanpehi」としているほど。かつてセリエAのACミランなどで活躍したFWマウリツィオ・ガンツは抜け目ないフィニッシュから「エリア内の海賊」とも呼ばれたが、三平はまさしく「エリア内の釣りキチ」だ。

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