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特別無料記事【Jうぉっち】電光石火。先制ゴールまでの90秒間に見るサンフレッチェ広島とガンバ大阪の明確な”差”

サンフレッチェ広島とガンバ大阪の試合はホームの広島が早い時間帯に柏好文と柴崎晃誠のゴールでリードを広げ、後半には川辺駿の追加点により3−0と完勝した。

サッカーは90分を観て評価するべきものだが、この試合に限れば結果の通り、立ち上がりに両者の明確な差が出た内容だった。言い換えるとガンバ大阪の課題もこの時間に凝縮されているように思う。それだけにガンバのファン・サポーターはこの約90秒間を現状の象徴的な時間帯として目を背けることなく見直してほしい。

キックオフはガンバのボールだった。遠藤保仁が後ろに下げたボールをキム・ヨングォンが左足で右前方にロングボールを蹴る。サンフレッチェの佐々木翔とガンバの三浦弦太が競り合い、やや三浦が優勢な形でボールを落とすと小野瀬康介がマイボールにするが、コントロールがずれたところを柏好文が拾い、ガンバサイドにボールを蹴り返す。

そのボールを今後はセンターバックの菅沼駿哉が跳ね返すが、ドウグラス・ヴィエイラがカット。そこを小野瀬がリカバーして再び菅沼に戻した。菅沼からキム・ヨンォン、ボランチの倉田秋と渡り、右サイドを上がっていた三浦弦太、再び後ろに戻したボールを菅沼が小野瀬に通すと、ターンする間に広島の選手がさっと自陣に戻り、5−4−1のブロックを形成しながら、ボールサイドにプレッシャーをかけた。

ガンバは菅沼、ボランチの高于洋、キム・ヨングォン、再び高と繋いで中央でブロック内の遠藤に縦パスを入れ、戻したボールを高が中盤の左寄りに引いてきたファン・ウィジョに右足のワンタッチで通そうとするが、広島は待ち構えていたかのようにファン・ウィジョを川辺と柴崎でサンドしてボールをロストさせ、ルーズボールを広島の野津田岳人が素早く拾って左サイドの柏に展開する。

この瞬間にサンフレッチェは中央で二人、三人と選手がガンバ陣内に入り込む。柏には小野瀬が対応するが、柏は小野瀬を食いつかせながら時計回りのターンで縦に破り、縦にボールを運ぶ。ガンバは三浦と倉田が二人で柏に行くと、柏は二人の間にボールを通して野津田に預けるが、後ろから菅沼がボールに触ってサイドラインに逃れた。

リスタートということでディフェンス側のガンバは当然、受け手のマークを確認するが、中央のスペースにいた川辺を見逃してしまっており、佐々木がそこにポーンとスローを入れるとガンバは慌ててプレスをかけるが、その動きを利用するように川辺は佐々木に戻す。

佐々木はクロスを入れるが、ゴール前で素早くチェックを入れてフリーになったドウグラス・ヴィエイラには合わせられず、手前の菅沼にクリアされた。しかし、このクリアボールにいち早く反応してボールを拾ったのはサンフレッチェのDF野上結貴だった。

クリアボールが出た時点では野上はファン・ウィジョとほぼ同じ位置にいたはずだが、ボールが来るときにはかなり引き離しており、遅れてアデミウソンがアプローチしたが、野上はボールを保持することなく右足のダイレクトで右前方のサロモンソンに展開した。

こうなってしまうとサンフレッチェでも最も突破力のある助っ人が異能を発揮する。俊足の藤春廣輝がなんとか進行を防ごうとするが、縦のドリブルを意識するあまりに斜め後ろに距離を取った隙を逃さず、サロモンソンがボールを入れるとドウグラス・ヴィエイラが菅沼と競り合いながらうまく潰れてショートバウンドのボールを流した。

そのボールをペナルティエリア中央の野津田がノートラップでコントロール下に入れて、小野瀬、倉田、三浦の三人を引き付けてペナルティエリア左にスルーパス。完全なフリーでボールを受けた柏が得意の角度から右足でGK東口の脇を破り、ゴール右に流し込んだ。

最終的に柏をフリーにしてしまった原因は野津田の手前に三浦、インサイドに倉田がいるにも関わらず小野瀬がアウトサイドから野津田をプレスに行ってしまったことにあるが、この一連のシーンにおいてあらゆる部分で予測と動き出しを上回られた結果だ。

コレクティブという言葉がよく言われるが、現在のサンフレッチェはこうした一連のプレーで迷いやタイムラグがほとんど無く、仮に技術的なミスが1つ2つ起きても組織としてカバーできているため、相手に隙を与えず隙を突くことができている。この試合も精度のミスはガンバより特別少なかったわけではなく、パス成功率も72%と、堅守速攻の意識が強いにしても平均水準より低いレベルだ。

それでも判断の遅れや明らかなミスが少なく、パスミスやコントロールミスが起きてもすぐにリカバリーしてしまう。ただ、ガンバも単なる緩みや軽さでこうした現象が起きているわけではないだろうが、まず自分たちからボールを動かして支配するという前提があるのか、攻撃で相手を圧倒できていない時間帯やボールの失い方が悪かった時に、そのまま持って行かれて後手後手の対応になってしまう傾向は厳しく見直す必要がある。

もちろん中盤に絶好調の今野泰幸がいればおおよその問題は解決してしまう部分もあるが、今こそ変わっていかないとズルズル行ってしまう危険はかなり高い。

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