サッカーの羅針盤

公開記事【柏見聞録】戸嶋祥郎という選手

戸嶋祥郎が横浜F・マリノス戦で相手選手との接触により大怪我を負ってしまいました。

ペナルティエリア左からクロスを上げたところに松原健が勢いで突っ込む形で交錯し、両者ともに痛める様子が映像にも映りましたが、やはりクロスの勢いから入られた戸嶋祥郎の方がダメージが大きく、担架で運ばれる様子は非常にショックでした。

診断結果は左脛腓骨骨折。全治4〜6ヶ月と伝えられ、今シーズンの復帰は絶望となりました。

筆者もピッチ上では全ての選手をフラットに評価しているつもりですが、やはり大分トリニータユースからアルビレックス新潟、マリノスと観ている”マツケン”こと松原健、その松原と同じ新潟ゆかりの戸嶋祥郎による今回のアクシデントは一部で議論のレベルを超えて、柏レイソルと横浜F・マリノスのサポーター、さらに新潟サポの論争にまで発展してしまったので、とても複雑な思いでした。

その流れを一変させたのは他ならぬ戸嶋選手の直筆メッセージでした。

大変な状況にもかかわらず、真っ直ぐに心のこもったメッセージの中で「耳が痛くなる様な発言もあり、残念です」と語られ、ここで名前は出していないものの松原選手から連絡が来て(おそらく第一声では”謝罪”の言葉があったのでしょう)、二人で励まし合ったことが綴られています。

戸嶋祥郎は浦和レッズのアカデミー育ち。ジュニアユースからさいたま市立浦和高校、筑波大学をへて、2018年にアルビレックス新潟に加入。いきなり主力の座を勝ち取り、”筑波のダイナモ”とも異名をとったエネルギッシュなランニングとサイドからの積極的な仕掛け、90分止まらないハードワークなど、2年間で新潟サポのハートをグッと掴む活躍をしてJ1の柏レイソルに移籍しました。

戸嶋祥郎選手と言えば”シャツイン”スタイルと透き通った目が印象的ですが、やはり謙虚で明るい言葉の数々が思い浮かばれます。個人的にハッピーターンが大好きなこともあり、オフザピッチの情報もくまなくチェックしていましたが、このポスターは永久保存版です(笑)。

アルビレックス新潟の紹介ページには浦和レッズジュニアユース時代の恩師である池田信康氏を「尊敬する人物」にあげているのが印象的です。

柏レイソルでも厳しい競争環境の中で、主力への階段を登っていた矢先の怪我なので残念な怪我であることは間違いありませんが、来シーズンには元気な姿で完全復活してくれるでしょう。もちろん松原選手とも再びピッチで相見えるはず。

最後に外部からのリンクばかりで恐縮ですが、柏レイソルのオフィシャルにアップされた母の日のメッセージを紹介します。

 

サチロー選手、完全復活を待っています。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ