サッカーの羅針盤

【J2魔境】特別対談:元川悦子と語る”ヤット加入”のジュビロ磐田と松本山雅(序論)

遠藤保仁のジュビロ磐田加入。その初戦の相手となったのが松本山雅でした。”ヤットさん”の影響はピッチにどう表れていたのか。それに対して松本山雅のパフォーマンスがどうなったのか、アンダー代表から遠藤保仁選手を取材し、松本山雅にも詳しい元川悦子記者と語りました(序論は無料公開)

*筆者注:インテンシティー負けにより、ほぼ元川一人語りになっているのはご容赦ください。

 

河治 遠藤保仁選手が加入したジュビロ磐田が松本山雅が対戦したわけですが、ヤットさんにも山雅にも詳しい本元川さんの目で観てみて、まずジュビロはどう映りましたか?

元川 そりゃヤットさんが入ったらガンバのサッカーになっちゃいますよ。ジュビロがガンバになっちゃったよ(笑)。ちょっと前のね。ここ最近じゃなくて。

河治 ま、まあ、そうですよね(フベロさんの築き上げたものが・・・?)

元川 だからヤットに全てボールが集まって、全てヤットを起点に、本当に魔法使いだねあの人は。そう思うぐらいヤットにボールが行って、そこから展開とかビルドアップがヤット中心に変わってたから、最初からヤットがいたかのようなチーム構成だよね。

河治 圧倒的なパーソナリティーと言うか、周りの選手もヤット選手を見て、出していく意識が高く感じられましたね。

元川 そういうことじゃないの?フォーメーションを言うと3ー4ー1ー2で、八田がキーパーで、右から山本義道、真ん中が今ちゃん、左が伊藤洋輝、ボランチは遠藤と山本康裕、右のアウトサイドが松本昌也、ヒダルが大森、トップ下に山田大記、2トップが小川と中野だったんだけど、事実上、大森はボランチのサポートで、攻撃になると後ろが4枚になってヤットが下がるか、山本が下がるかになって、その時に大森は中に絞ってボランチの位置に来る。

河治 そうですね。

元川 それで山田大記がインサイドハーフっぽくなってみたいな感じで、松本はずっと右サイドにいたんだけど、それ以外の中盤は流動的で、かなり相手を揺さぶりにかける感じ?

河治 はい。

元川 それで山雅は米原がアンカーだったけど、スタートポジションはミラーゲームでフォーメーションは同じだったんだよね。山雅はご存知の通り、大野、橋内、常田の3バック、右ウィングバックに鈴木雄斗、左が高橋諒でしょ。それでアンカーが米原、インサイドハーフに前貴之と加入したばかりの佐藤和弘がやって、2トップに阪野とセルジだったわけ。それで米原の両脇のスペースをかなり使われて、守備のプレッシャーもそうだけど、そこで米原がパスミスで取られたりと言うことがあった。それで前貴之とポジションを変えたの。

河治 アンカーに入りましたね。

元川 そう、それで米原がインサイドハーフに行った。守備やパス出しの部分で厳しいと言う柴田監督の判断だったんじゃないかなと。そこは記者から質問が出なかったので、聞く時間もなかったけど。とにかく、ヤットがパスだしで出てくるから使われるみたいな話にはなってたけど、正直、最初はかなり捕まえられなくて、10分間のポゼッションが81%対19%と言うとんでもない差になってたわけです。

*筆者注:この間も何度か口を挟もうとするも、圧倒的なインテンシティーに負けて挟めず。まさに19%ぐらいでした。

本論に続く

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