サッカーの羅針盤

【維新の風スペシャル】霜田正浩監督の掲げるレノファ山口の志とは?

直近の3試合を全て0−1で3連敗と結果が出ず、残り10試合を切ったところで最下位と成績面では期待を裏切る結果が続いています。

そうした状況に批判的な声が出るのは当たり前。ただ、目指しているサッカーをどう理解して、厳しく観る基準にしていくか地元のメディアも難しい状況にあるようです。

今回は失礼を承知で、質問というよりは筆者が考えているレノファ山口のビジョンを基準に、選手の判断力、責任意識、リーダーシップという観点から日本サッカーの課題にも絡めて、霜田正浩監督に意見をぶつける形で、見解を聞きました。

ーーせっかく地元のメディアの人たちがサッカーを評価して、結果はもちろんですけど、監督の真意を伝えようと意気込みを感じる中で、福岡戦は霜田監督のサッカーを自分なりに予想した中で、かなり良かったと思います。ただ失点のシーンは明らかに山田元気選手のミスですけど、90分の中で考えると、あの時間帯ちょっと危ないなと思ってたんですよ。ミスによって失点する予感ではなくて、何か危ないなと感じていて、案の定だったので、日本代表とメキシコを観ていても、90分の波として、そういう時間帯に感じられたので、あの時間帯は強度の部分で、福岡が変えてきたというよりはレノファが下がっているように見えました。霜田監督の中では全体的に60%近く持てたという話でしたけど、あそこの時間帯がどう観ていましたか?

なかなか90分、ああいうチームに対してずっとリズムを取り続けるのは難しいと思っていたので、どこかで僕らがハイプレスに行く、人に厳しく行く守備をしていると、どこかでやはり、体力的に落ちるわけではないですけど、相手にペースを握られる時間帯は出てくると思うんですよね。

今は飲水タイムがあるので、試合を4つに分けると飲水タイムの前、後、それから後半の飲水タイムの前、最後までと4つに分けると、4分の3ぐらいは自分たちでリズムを掴んでいたと思うんですよ。その4分の1のところで失点をしてしまう、あるいは(4分の3で)得点が取れない。失点した後も頭を下げずにビッグチャンスを作ったりもしているので、90分のゲームコントロールが、僕がリモコンで選手を動かすわけにはいかないので、ここは相手のリズムだ、相手のペースだ、ここはしのぐ時だ、我慢する時だ、ここはつなげないから蹴っとけっていう判断はピッチの中で誰かがしないといけない。

そういうことができる人間が福岡戦のピッチの中にはなかなかいなかった。それはもう、代表の吉田麻也や柴崎岳でも、そういう時間帯の中で流れに飲み込まれちゃうことがありますから、うちの若い二人のセンターバック 、(ボランチの)ヤンもそうですけど、そこまで求めたいですけど、なかなかあの時はできなかったなと。あそこを凌いでいたら、残りの15分に決めて10で勝てたチャンスはあったかもしれない。本当に僕らと福岡の差ってそんなに感じてなくて、もちろん、いい選手もたくさんいるし、いい外国人もたくさんいるし、補強もしている。

いろんな差はありますけど、あの90分でピッチの中だけだったら僕らはそんなに差を感じていなくて、でも、あそこで元気のミスが起きてしまう。そのミスが失点につながってしまう。僕らが完璧に崩したシュートが村上の足一本、爪先で弾かれてしまう。4分の3は自分たちのサッカーがちゃんとできていたのに、4分の1でやられてしまう。そこがサッカーの怖さであり、サッカーの難しさであり、僕らが越えなければいけない壁だなと思っています。

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