「川崎フットボールアディクト」

【キャンプレポート】綾町3日目・午前練習 「ノボリの、嘉人いじり」

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■フィジカルトレーニング
合宿3日目の、1月27日午前練習の最初のメニューはフィジカル系のサーキットトレーニングだった。この練習中のこと。すべての選手が息を上げていることもあり、各選手からチームを鼓舞するような言葉が出はじめる。

井川からは「オーバーサーティーズ、いいぞ」という言葉が。

「誰だよ、これ考えたの(笑)。乳酸系と心肺系と、良く考えたもんだ」と苦笑いする憲剛の言葉に反応した周りの選手の一人が「ジャン・クロード」。

違う選手が「柔道家?(格闘家にジャン・クロード・ヴァン・ダムという選手がいたが、その選手とは別人)」とキツイ状況を笑いに変えていく。

そんな中、ベテランをいじり倒し、キツい練習に笑いを呼び込んだのがノボリだ。

ノボリの標的にされたのが、まずは嘉人。

 

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「嘉人、胸張れ胸。深呼吸や!」

状況からしておかしい。後輩のノボリが大先輩の大久保嘉人に命令口調で指示を出す。

しかし、それが許されるキャラクターがノボリにはある。

 

嘉人、苦笑いしながら言われたとおりに胸を張って深呼吸。

深呼吸する嘉人を見て、ノボリ、偉そうに「そうそう」。

 

みんな失笑だ。

ちなみに、そんな嘉人を見て、ノボリの言葉通りに胸を張って深呼吸すると、これが意外にいい。みなさんも運動時に限らず、仕事中などでも実践してみるといいかもしれない。

 

メニューの消化が続く中、続いてノボリが目をつけたのが中村憲剛。

 

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「憲剛さんが疲れて、いつになくガニ股になってる」というノボリの声に反応した憲剛は、「疲れてないよ」と返答。

疲労感は、疲れを感じる時の感覚であることを考えると、実は自ら口にして「疲れてないよ」と言葉を発し、自らの耳で聞くのは実は悪いことではない。

そんなこんなで、底抜けに明るいノボリのキャラクターで、キツいフィジカルトレーニングが和らいでいた。

なお、このフィジカルトレーニングについては、川崎英正トレーニングコーチと風間監督が話し合いの中で、必要な要素を強化させるべく作ったものだという。最大のポイントは、体幹と上半身を鍛えるトレーニング。塩化ビニール製のパイプで自作した器具を使った練習は、目新しく、また選手たちも若干戸惑いながらも対応していた。

 

■チームを2分割し、局面での練習
おそらくは乳酸で足が動きにくい状態での練習ということで、選手には負荷がかかる状態だったはず。たとえばゴール前で守備役の1人の選手と攻撃役の2人の選手の1対2のシュート練習では、さすがにシュートの精度が下がり、辛そうな動きが目に付いた。ただ、そうした状況の中で練習することに意味があるのだろうと考える。

たとえば谷口彰悟は「頭が働かないこともあり、怒られました。ああいう(疲労感が蓄積した)場面は試合の中でも有り得るので、いい練習になります」と話していた。

結局のところ、与えられた状況をどう考えるかが問題だということだろう。

 

■実践形式での練習
続いて、選手をピッチ上に配置し、崩しとそれに対応する守備とを確認するという練習が行われた。疲れがたまっている状況での練習だったこともあり、少々ミスが目立つ練習に風間監督からも「狙わないと、崩せない!」と激が飛んでいた。

 

■紅白戦
午前練習の最後は、紅白戦である。見ていて特徴的だったのが、エウシーニョのオーバーラップである。新体制発表会見でもエウシーニョのゴールシーンが放映されたが、ああした場面はJの舞台でも期待できそうな動きだった。

メンバーを変え、並びを変えて2本紅白戦が行われ、午前練習は終了した。

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