【練習試合 川崎vs横浜FM レポート】新加入のアルトゥール・マイアが1ゴール2アシストの活躍。プレースキッカーとしての能力の高さを示す
フロンターレは8月5日。マリノスタウンにて横浜FMとの練習試合に臨む。
試合形式は、30分を4本。
1本目、2本目は主力組
3本目、4本目は控え組という編成で行われた。
前半開始早々、フロンターレは失点するが、これはハンドのファールを主審と副審が見落とした末のもの。中村憲剛によると、このゴールで気落ちした部分が少なからずフロンターレにはあったという。試合内容もぴりっとせず、その後もう一点を失って前半を0−2で折り返す。
フロンターレにとってこの試合は、12日の山形戦まで時間が開くこともあり、戦術的な何かを試すというよりは選手のコンディションを維持することに主眼を置いたものとなる。その中で、選手たちは新加入のアルトゥール・マイアがどれだけチームに馴染めるのか、試すという部分もあったという。
たとえば憲剛は「1本目はね。マイアが馴染む時間も必要でした。サネも久々だし、いつもと違うメンバーだというのはある」と攻撃を上手く作れなかった前半について説明する。そういう意味では30分4本の練習試合の1本目が0−2で終わったとしてもそれほど不思議ではなかった。
ただ、2本目が始まる前にマイアに対し「間で顔を出せと。(1本目は)結構(中盤に)降りてきてたから、降りなくていいよと。相手の嫌なところでプレーできればいいよと」伝えたのだと憲剛。その結果、マイアは前線に入った大久保嘉人、船山貴之と共に流動性を実現し、横浜FMを押し込み始める。
結果的にフロンターレがボールを前に持ち出す機会が増え、30分2本目の、開始早々の6分のFKにつながる。
キッカーはマイア。ゴール前に蹴り入れたボールは、ファーサイドに詰めていた車屋紳太郎の足元に入り、フロンターレの1点目となる。
このマイアのFKについて車屋は「ギリギリ届かないところにボールが落ちてきました。触ればゴールというボールです」と振り返る。
ペースを掴んだフロンターレは、13分にマイアが右足のミドルシュートで決めて2点目。さらに17分過ぎにもマイアが蹴ったFKを井川祐輔が頭で決めて3点目を奪った。
逆転ゴールを決めた井川は「練習試合を合わせて3年ぶりくらいです」と苦笑いしつつ「すごい、練習から良いボールが上がっていたし。ヘディングしやすいボールでした」とマイアからのボールを解説。と同時に「前半から後半のようなサッカーができるように、しなくちゃいけないと思います」と表情を引き締めていた。
この試合の主目的の一つだったマイアを組み込むという課題について大久保嘉人は「(加入後)初めての試合だし、出来なくて当たり前。これから良くなっていくんじゃない」と述べると「まあ、やれるやろう。今日でこんな感じだったら。良くなっていくから、絶対。間違いなくやれると思うよ」と今後に期待を掛けている。
なお、マイア自身は「ゴールとアシストができたのは、チームのためになります」と話すと「チームの戦術にしてもこの暑さにしてもまだこれからフィットしていくと思うので、本当にいいスタートだったと思います」」と話していた。
加入後の初戦となったマイアはまだまだ連携面で雑さを見せていたが、これからの熟成ぶりに期待が持てるプレーぶりとなった。
選手を入れ替えて臨んだ3本目、4本目に関しては、0−0で迎えた4本目に、杉本健勇がコントロールしたファインゴールを決めると、橋本晃司からのパスを受けた三好康児がGKとの1対1を冷静に流し込む活躍を見せた。
3本目、4本目は2−2の結果となった。
なお、この試合には、今日から特別指定選手として承認された長谷川竜也が出場。またユースから、三笘薫、田中碧、中3で飛び級している宮代大聖の3選手が出場。まずまずのプレーぶりを見せている。
12日の山形戦に向け、期待できる試合内容となっている。
(取材・文/江藤高志)