「川崎フットボールアディクト」

【天皇杯3回戦 川崎vs京都 レポート】コンパクトな京都を攻めあぐねるが、自慢の決定力で突き放した(2813文字)

■捨て身の京都に少々苦戦
あの手この手でフロンターレ対策を練る対戦チームにあって、京都は前からのプレスを採用した。高校生を含め、普段試合に絡めて居ないメンバーを多く起用した京都は、果敢な守備を見せた。

試合後に会見に臨んだ京都の石丸清隆監督は「ある程度引いて守ることも想定していたんですが、時間とスペースを消したとしても、ある程度崩される。時間とスペースを関係なく崩してくる。J1でもやってるので、ぼくらがそこでブロックを敷いたところでやられるのはなんとなく想像できた」ため、前からのプレスを選択したのだと述べている。

その結果として京都は立ち上がりの10分ほど強烈なプレスを仕掛けてフロンターレを追い込もうとした。このプレスを有効に機能させるべく、最終ラインを高く押し上げ、全体をコンパクトに維持していた。センターサークルの幅に収まる程度のコンパクトさの中に京都は10選手が位置取り、フロンターレを待ち受けた。

この京都戦に限らず、フロンターレが克服しなければならない課題として、コンパクトな陣形を取る相手をどう崩すのかというものがある。最も確実に点を取る手段として、パスワークを駆使するフロンターレにとって、狭い局面に数多くの選手がひしめく状態はあまり楽なものではない。また、京都は最終ラインをかなり高い場所で維持したため、その裏を狙いすぎてミスが増えるという側面もあった。たとえば中村憲剛はこう述べている。

「ラインが浅いから狙いたくなりますね。だから一か八かのところもある。(京都は)何回かラインを割られてるんだけど、裏を抜かれてても、それでもあれだけ高く取ってくる。そこはガマン比べでした」

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