「川崎フットボールアディクト」

【#オフログ】等々力競技場内のAEDの現状と提言

■等々力競技場内のAED設置場所
鳥栖戦の試合前写真について、今回はAEDの設置場所について撮影しました。

【#オフログ】J1 1st. 第6節 川崎vs鳥栖 試合前写真(8枚)
https://www3.targma.jp/kawasaki/2016/04/10/post5925/

というのも、ツィートでも紹介した通り、2016年3月27日の甲府ホームのナビスコ杯において、甲府が組織してきたAED救護ボランティアによって、実際に人命救助が行われたためです。

原J副理事長、甲府のAED救護ボランティアに感謝…先月心肺停止の女性を救護
http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20160410-OHT1T50104.html

こちらの記事によると、甲府のホームゲーム中に41歳の女性がトイレ前で心肺停止状態に。この女性に対し、AED救護ボランティアが迅速に対応し、蘇生。現在は意識が戻っているとのこと。

この件に関連して、等々力競技場のAEDの設置状況はどうなっているのか。サポーターからの問い合わせもあり調べてみました。

■コンコースに二台
鳥栖戦の試合前、顔見知りのボランティアさんにAEDについて聞いたところ「AEDですね」と即座に対応。各ボランティアさんがそれぞれに携帯している資料を見せてくれ、場内に3台があることがわかりました。これは驚きました。

ちなみに一台は医務室。これは医師による使用が想定されているものでしょうから、機動的な運用には向かなさそうです。

コンコースには二台が設置。一台はエンタの広場の壁際に常設されているもの。写真を再掲しますが、以下の場所にあります。

こちらのAEDに関しては、緊急時に誰もが手に取れる状態にあります。

もう一台は、メインスタンドの場内総合案内所の棚の中です。

Bゲートの階段を上がってすぐの右手にある総合案内所の


棚の中。

こちらはフロンターレのものを毎回持ち込んでいるようです。

■現状のAEDの運用
2万人前後の観客に対し、簡単に手に取れるこの二台のAEDについてその運用を考えてみます。

場内総合案内所のものについては、常時スタッフが詰めており、インカムによる連絡で現場に急行することは可能だと思います。

第6節の鳥栖戦については、撮影時には複数のスタッフが詰めており、必要であればAEDを携帯して現場に向かうことは可能だと思います。ただ、AEDの講習を受けているスタッフなのかが明らかでなく、いざ心肺停止状態の観客の対応を依頼された場合、尻込みする可能性もゼロではないのかなと感じました。そこはボランティア間の連携でカバーできる部分でもあります。

エンタの広場のAEDに関しては、取材時にはここにスタッフは配置されていませんでした。この一台で、サイドスタンド、バックスタンドの観客をカバーする事になりますが、さすがに心もとないように感じました。

例えばゴール裏2階席で急病人が出た場合、ボランティアに救護を依頼したとしても、そこからAEDの設置場所にボランティアやスタッフを派遣してAEDを確保。そこから現場に急行するのにはそれ相応の手間が掛かりそうです。3分で行けるか、心もとないと言わざるを得ません。

■AEDの運用について提案
AEDについては心肺停止状態の方の蘇生に有効だということが明らかになってます。また使い方も簡単で、医療系の資格も不要です。

ということで、現状三台しかAEDが無いのであればこの三台を有効に使うべく、心肺停止状態の急病人発生時の運用について、講習も含めてしっかりとスタッフに周知してほしいと思います。訓練の有無までは取材していませんが、できるのであれば一度やるのもいいでしょう。

また、台数を増やせるのであれば、増やしたほうが良いでしょうし、設置場所もオフィシャルWeb等で告知しておくといいと思います。

AEDの台数を増やし、救護ボランティアを組織する場合、ボランティアとしては医療関係者がベストなのでしょうが、急病人の場所までの移動を考えると、例えばAEDの講習を受けることを前提に、ボールボーイを依頼しているサッカー部員などに協力を依頼してもいいように思いました。

特に二階席の存在を考慮すると、階段を登り降りする脚力は必須です。使い方さえ知っていれば、だれでも使えるAEDの特徴を生かすのは、機動力のある若者に一肌脱いでもらうのが一番なのかなと思いました。

ボランティアに参加した高校生にとっては、日頃の練習で培った脚力を発揮できる場にもなりますし、またAEDの使い方を学べますし、一石二鳥以上のものが得られるのではないかと考えます。

なお、すでにフロンターレの社内では、社長からの指示でAED救護ボランティアについて検討が始まっているようです。また何か進展があれば報告したいと思います。

(取材・文・写真/江藤高志)

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