「川崎フットボールアディクト」

【コラム】【いしかわコラム】vol.5 大島僚太、笑顔の行方


よくサッカーゲームなどで、選手の能力を数値で表す五角形のレーダーチャートがありますけど、彼が目指しているのは、どこかの能力だけが突出しているのではなく、五角形の数値がどこもまんべなく高い。そんな選手なのだと思います。それこそ、まるでキャプテン翼の翼くんのようです。

そしてリオ五輪を終えて戻ってきた直後に、その「うまくなる」ということに関して、本人に聞いてみました。「五輪での経験を通じて、自分がうまくなるための具体的なヒントは掴めましたか?」と。大島僚太の回答は、ちょっと意外なものでした。

「これを言ったらあれですけど・・・・五輪が一番レベルが高いわけじゃないんですよね。特にボランチに対するプレッシャーは、Jリーグのほうが激しかったと思ってます。だから、そんなに良い手応えかというと、そうではなかったですね。そこらへんは自分の中で、うまく整理できているつもりです」

つまり「うまくなる」ということに関してば、五輪では特別に大きな刺激を受けたわけではないということかもしれません。言われてみると、中村憲剛も「Jリーグでは、僚太にあんなに前を向かせてくれないし、あれだけフリーになることもないけどね」と話していました。大島本人がそう感じるのも当然なのかもしれません。

2016年の8月が、間も無く終わります。

ブラジルでのリオ五輪を終えて、帰国後はインフルエンザで一時ダウンするなど、かなりタフな状態でサッカーをしていた一ヶ月だったはずです。そして9月からは、日本代表としてアジア最終予選を戦います。

そこには「うまくなるためのヒント」も、きっとたくさんあるはずでしょう。そんなときに見せる大島僚太の笑顔の行方・・・ぜひ注目してみてください。

(取材・文/いしかわごう 写真/江藤高志)

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