「川崎フットボールアディクト」

【Blue Note kawasaki】vol.2 花粉症とサッカー(大塚いちお)

大塚いちおさんから新しいコラムが届きました。今回のテーマは花粉症。意外な角度から攻めてきました(笑)

もう20年以上の付き合いになる。川崎フロンターレとではなく、花粉症との話だ。毎年この時期になると、くしゃみ、鼻水、目のかゆみにひどく苦しめられる。近眼なので普段からかけているメガネに加え、マスクにキャップと、細心のケアをして外へ出かけても、なかなかこのムズムズは止まらない。それどころかむしろそのディフェンスラインめがけて激しく襲ってくる。
当然、周りには花粉症なんて全然わからないという幸せ者もいるのだが、そんな人にこの苦しみの説明を試みても当然他人事だ。まぁそもそも理解してもらったところで、この辛さが軽くなるわけでもないし、花粉症の僕にみんなが急にやさしくしてくれる訳でもない。

昨シーズン、Jリーグ初めての2月開幕かと驚いていたら、今年も2月下旬からの開幕だ。おまけにフロンターレはACLもあったため他チームよりもさらに少し早いスタートとなった。
2月の後半といえば気温もまだ低いが、花粉症のシーズンの開幕でもある。
真冬のコートにチームカラーのマフラー、チームキャップ、メガネにマスクの観戦は、夏頃の身軽な観戦と比べるとかなり動きにくい。おまけに持参した温かい飲み物でメガネが曇り、ピッチの選手の姿がぼやけたりする。
ムズムズな上に視界不良。それでもいい試合で、フロンターレが勝てば気分もあがり、花粉症の煩わしさも一瞬忘れさせてくれる。

ACLで引き分けスタートの後、リーグ初戦のアウェィ大宮戦、距離的にはそれほど遠くないアウェイの地へ乗り込んだ。ちなみに大宮駅からスタジアムまでの景色は、駅前の細い路地の飲食店や、何件かの古着屋が立ち並ぶ通り、その後は氷川神社の参道へと、バラエティ豊かで歩くと眺めているだけでも楽しい。参道脇の団子屋さんで、お団子や揚げ饅頭を買って観戦するのもいい。
さて、「鬼木新監督の采配は?」「いきなりの古巣相手に家長のプレーは?」と、時々煩わしいマスクをはずしたりしながら大声をあげ観戦したが、結果は無事勝利。くしゃみ、鼻水による煩わしさも気にならないほど気分は上がった。
初戦アウェイでの勝ち点3は、今年のリーグ戦の快進撃を想像させてくれたし、その後のACLアウェイ広州恒大戦を引き分けに持ち込んだことで、なんだかんだ昨年のように負けてないということを、楽観的に考えた。
そう先週のFC東京戦の敗戦までは…。

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