「川崎フットボールアディクト」

シャペコエンセの悲劇から1年。縁のあるチーム同士の対戦【コラム】

浦和戦前日の2017年11月28日はシャペコエンセの悲劇からちょうど1年の節目の日だった。クラブは公式のSNSアカウントで弔慰を示し、麻生には半旗になったチームフラッグが掲揚された。半年間ではあったが、共に戦ったマイアを追悼していた。

そのマイアがフロンターレに在籍中、チームメイトとして戦っていたエウシーニョに改めて事故について話を聞いた。エウシーニョは「本当に残念な思いがありますし、もう1年経ちましたが、起きてほしくなかった事故です」と話し始めた。

サンタカタリーナ州のシャペコという小さな町のクラブは、コパ・スダメリカーナ2016という国際大会の決勝を戦うべくコロンビアに移動中だった。思いがけず発生した事故により、チャーター機は墜落。選手、クラブ役員など47名が犠牲になっている。

「自分たちの仲間でもある、フロンターレの仲間でもある彼が亡くなったのはすごく残念です」と話すエウシーニョは、「1年経ちましたが、なかなか受け入れられないところはあります」と事故を悔やむ。ただ、後ろを見るだけではダメだとして「自分たちの人生は進んでいきますしまだこれから先を見ていかないといけないと思います」と話してくれた。

チームは明日、浦和と対戦する。勝たなければタイトルの可能性がなくなる大一番ではあるのだが、「まだチャンスがありますし、本当に重要な一戦になると思います。とにかく集中力を高めてゲームに入っていかないといけないと思います」と話している。

なお、次節対戦の浦和は、今年行われたスルガ銀行チャンピオンシップ2017でシャペコエンセと対戦。試合後には「Vamos nos encontrar novamente nos mundiais!!Amigos!!!(がんばれ友よ、また世界の舞台で会おう!)」という横断幕を掲出し、それに感激したシャペコエンセの選手が浦和ゴール裏に駆け寄りユニフォームを投げ込む場面も見られた。また、浦和のアジア制覇後にはシャペコエンセの公式ツィッターアカウントで祝意が伝えられている。

タイトル争いに生き残れるかどうかの瀬戸際にあるフロンターレにとっての浦和戦は、お互いにシャペコエンセに縁のあるチーム同士の対戦となる。

(取材・文/江藤高志)

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