「川崎フットボールアディクト」

[鬼木達監督、初戴冠までの軌跡 1/3] 徹底させた原則と現れた数字【コラム】

■最強のライバルを逆転
常に背中を追い続けていた。
ライバルは鹿島だった。
状況は厳しかった。

状況が厳しいと言われていたのは、相手が鹿島だったから。
相手が絶対的な王者だったからこそ「難しいだろう」という声は多かった。

鹿島とのマッチレースが始まったのは25節から。横浜FMに3−0で勝利し勝ち点49で2位に浮上したフロンターレに対し、首位の鹿島は勝ち点55に到達。これ以降、フロンターレの一歩先を鹿島が常に走り続けた。この間、勝ち点差は最大で8点に広がっていた。

そもそも、「難しいだろう」という言葉に確たる理由はない。王者の歴史を持つ鹿島だからこそそう言わせていただけ。ただ逆に言うとそれが積み重ねてきた歴史の力だとも言える。その鹿島に食らいつき、その鹿島を最終節で逆転。今季初めて首位に立ち、優勝の栄誉を手にしたのは新任監督だった。

今季からフロンターレの指揮をとる事になった鬼木達監督は、就任直後から難しいタスクに直面していた。2017年1月17日に宮崎の綾町で開始した合宿初日に鬼木監督は次のような言葉を残している。

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