「川崎フットボールアディクト」

【レポート】J1 第7節 川崎vsC大阪 知念慶の雪辱弾も勝利ならず。希望と課題とが見えた敗戦

■見たことを自慢できるゴール
エドゥアルド・ネットがロングフィードした瞬間、誰もが強すぎると思ったはず。地を這うようなボールは直線的かつ鋭角的に高度を上げつつ激しく失速し、GKとDFの間のここしかないというポイントに落ちた。リプレイを見ると、バウンドした瞬間、ほぼ真上に跳ね上がっているように見えた。

ボールを蹴る瞬間、かなり強振しつつ、絶妙な角度で足を当てるとああした弾道のバックスピンのボールを蹴ることができる。もちろん万人に蹴れるボールではない。

知念慶によると「こういうボールは蹴ってくるので。マリノス戦でも低い弾道でしたがあったので」というボールらしい。知念は「ああいう形はよく狙っているので。狙い通りだったかなと思います」とも話すが、ゴールになったという点であれをライブで見れた人はラッキーだった。見ていない人に自慢できるゴールだった。

「いいパスを出せたと思っています」とだけ答えたネットのパスに対し、知念は突進してくるGKキム・ジンヒョンを視野に入れつつ「タイミング的にGKが完全に食いついていたので、GKを外すようなトラップをしたらDFもきれいに外せた」と話す。ボールが跳ね上がった瞬間をうまく捉え、左に持ち出してうまく流し込んだ。ゴールネットを揺らす前に知念は得点を確信してバックスタンドに駆け出していった。

前節の横浜FM戦後、5cm10cmの差について言及していた知念は「前の試合ではちょっと悔しい思いをしたので、今日は結果を絶対に残すという強い気持ちで挑めたのがあの得点につながったかなと思います」と話していた。今季の目標として等々力での初ゴールを公約していた知念にとって、これまた初となる足でのゴールとなった。


■齋藤学等々力デビュー
1点を追いかける後半55分に齋藤学に出番が回ってきた。長谷川竜也に代わるべくピッチサイドに姿を現すと、ホームサポーターから割れんばかりの歓声が聞こえてきた。

「(横浜FMの選手として)悔しい思いばかりしてきた」と話す等々力で、フロンターレサポーターに万雷の拍手で迎え入れられた場面を振り返り「ちょっと複雑なんですが」と口にする齋藤が飲み込んだ言葉は「嬉しかった」というものだったはず。ただ、試合結果もあって「今日も悔しかった」と話した。

その齋藤がボールを持って相手選手と対峙すると、等々力が期待感で揺れた。ただ、その期待はまだ形に結び付けられていないのが実情だ。例えば後半61分。登里享平からパスを貰おうとした齋藤は、裏を取ろうとした判断をやめて足元でもらうことを選択。齋藤の最初のモーションに合わせたノボリのパスは裏に抜ける形となった。そうした認識のズレはまだあるにはある。ただ「川崎のリズムには合ってきたのでは」との質問に対し、齋藤は「自分が判断することではないと思いますが」と前置きしつつ「ワンタッチでの崩しも見つけれたりして、あとは仕掛けつつ間のアキさんを使ったりあとはタテに流れたりとかができていた」と口にして「ああいうシーンが増えてくれば。ああいうシーンと自分が仕掛けるプレーを区別していければいいと思う」と話している。

コンビネーションプレーと仕掛けと、その両方を高いレベルで発揮できる選手だ。足が完治し、試合で使える体力が回復しつつある中、合わせることで連携を深めていけるはず。川崎フロンターレの齋藤学として、等々力でのはじめてのピッチを踏んだ齋藤のこれからにさらに期待したいところだ。

■課題の失点
ネットの素晴らしいフィードと気持ちのこもった知念の先制点。そして齋藤の本拠地初出場とサポーターを喜ばせる要素には事欠かなかったが、それが試合結果につながらなかった。

試合は基本的にフロンターレが掌握。22分に知念が先制点を奪ったまでは負ける要素はなかっただけにセットプレーからの2失点が残念だった。

(残り 1553文字/全文: 3131文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

1 2 3 4 5
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ