「川崎フットボールアディクト」

不運なキャプテン【コラム】

連覇したチームにあって、一人だけ不運な選手を上げるとすれば小林悠ということになるだろう。

昨季は、逆転優勝のため本物のシャーレは等々力には届かず。今季はケガのため、ベンチ入りできず。優勝の表彰台には登録された18選手しか上がれない、という規定があるため、小林は連覇したにもかかわらず、シャーレを掲げるという大役を果たすことができなかった。

笑いながらではあるが「ちょっと悲しかったです(笑)。あれは見てて、きつかったですね(笑)」と話す小林。連覇の映像としては、谷口彰悟がシャーレを掲げる様子が使われることになるため「これがこの後どんな映像として使われるのかなと思うとすごくきつかったです(笑)」と苦笑いしていた。

笑顔がまぶされてはいたが、かなりの悔しさが伝わってきたため、フォローの意味で「その後Tシャツに着替えた後には掲げられましたが」と告げたが帰ってきた言葉は「ちょっとさみしかったですね。あの場に立ちたかったというのが本音ですね」というもので、もらい笑いしてしまった。

チームは連覇したにもかかわらず2年連続でシャーレ掲揚の栄誉を逃すキャプテンも珍しい。とはいえ、そういうエピソードも歴史の中で笑い話になるのだろう。来年こそは小林自ら掲げられるよう、3連覇を目指してほしいところだ。

(取材・文/江藤高志)

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