「川崎フットボールアディクト」

下田恒幸さんと振り返る、2019年前半戦のフロンターレ2/3【対談】

実況アナウンサーとして国内随一の実力を持つ下田恒幸さんと今季のフロンターレについて対談しました。
取材日は15節の札幌戦終了後だったため、19節終了時点の今現在とは若干状況が違っていますがご容赦いただければと思います。
少々長いです。

■夏場に向けて

江藤高志
オニさんは鳥かごを大事にしていて。それがすべてだという言い方をしている。すべての基本は鳥かごにあるみたいです。
ペップのマンCのドキュメンタリーのオール・オア・ナッシングの中にも鳥かご(ロンド)が大事だいうシーンがありますし、そうだと思います。

※「ALL OR NOTHING MANCHESTER CITY シーズン1、エピソード6 美しい試合 18分50秒ごろから

下田恒幸
あとは距離がルーズになっているとして、それをどうカバーするのかはスピードなのかなと。ペップの場合はバルサの時とシティの時で違うのは、バルサの時は風間さん的なものを自然にやれる選手がチャビ、メッシ、イニエスタ、ダニ・アウベス、ビジャと揃っていて恐らく主力選手のほとんどの「目が合っていた」
江藤高志
きらびやかです(笑)
下田恒幸
あれってそういうものが血として付いていない人は急にはできなくて、バルサの場合はカンテラから同じ目線、同じ感性、同じ質を求める中で育ってきてトップチームまで生き残った人がたくさんいた。バイエルンで最初苦労したのはまさにその部分。目がバラバラで感性も違う中で同じように支配するサッカーはできないと。だからサイドバックを内側に入れて、どう支配しようかみたいな発想になっていったんじゃないかなと思います。
それがマンCに行ってからは、ポジションを取る質を徹底して追求し、ライン間に立って、そこに相手が寄せられないスピードのボールを入れ、それを繰り返していくことでブロック間から敵を攻略する、という持っていき方に変化していったのかなと思います。だとすれば距離の感覚のズレについては補い方はあるのかなと。でもこれはペップの練習を見たわけじゃないので偉そうな事は言えない(笑)。ただそういうサッカーになっている感じはしてます。
江藤高志
つまり保有選手の状況に応じて変化させているのがペップだと。鬼木監督に今後求められるのは、自分がやりたいサッカー、スタイルを実現させられる練習を組めるのかどうか。そのための選手を集められるのかどうか。
下田恒幸
ペップはパススピードとか、どっちの足に出すとかまで言ってるはずなんですよね。
それを毎日やってるから当然チームとしての質は上がる。あとはデ・ブライネなんかはペップが来る前はもっと感覚的にボールに絡んでいたと思うけど、立ち位置を決めたところから何をどうするってことが明確なので、グループの中でのプレイの質がどんどん洗練されていったとも思うし。でもそれはペップみたいな特殊な監督の話で、そこは川崎に当てはめる事ではないと思うけど。いずれにしても後半戦の川崎は読めないですよ(笑)

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