「川崎フットボールアディクト」

【追記あり】【一部訂正】リーグ戦再開時期の発表は、政府見解、専門家会議の見解などを踏まえつつ29日前後の方向か【ニュース】

【Jクラブや各種スポーツ団体の財務に対し、大きな意味のある解釈が国税庁から出た件について追記あり】

5月19日の理事会終了後の会見を取材させてもらった。

村井満チェアマンは、再開の日程の発表時期については最速でも5月29日前後になるのではないかとのこと。

この件についての今後のタイムスケジュールについては、21日の政府見解、22日のNPB、Jリーグ連絡会議で前向きな意見が出たとして、そこから1週間程度の時間がかかるのではないかとのこと。すなわち、関係者、ステークホルダー(利害関係者)との協議に加え「選手会との協議も進めますし、クラブの契約担当者、強化担当者との協議も必要。実行委員会等々での最終確認も必要」とのことで、これらの「コミュニケーションを消化するのに1週間は最低限かかると思っています」との認識があると村井チェアマンは話す。

21日、22日の見解次第ではあるが、徐々にJ再開に向けて、進展しつつあるようだ。

○村井満チェアマン(抜粋)
「国民の自粛の努力の積み重ねもあり、少しずつ新型コロナウィルスをコントロールしつつある感触を多くの国民の皆さんも感じているのかもしれませんが、Jリーグ、サッカー界も、一歩ずつ再開に向けて準備、シミュレーションを重ねているところです」

「21日の政府見解、22日のNPB、Jリーグの連絡会議(での感染症の専門家の意見)を踏まえ、再開の日程を検討していこうと思っています。今日(19日)の理事会の場で具体的に再開日等々の議論がされたものではありません」

「22日のタイミングで再開の具体的なプランを決定することは現実的にしないつもりです。
方針がまとまったとして、そのあと翌週にかけて選手会との協議も進めますし、クラブの契約担当者、強化担当者との協議も必要。実行委員会等々での最終確認も必要ですので、22日の1週間後、29日ごろを目処に我々としての方針をまとめたいと考えています。

22日はインプットはいただきますが、我々からのアウトプットは関係者、ステークホルダーとの協議を経て、29日ごろ、まだ29日と決めているわけではないですし、22日の話を聞いた上で内容が非常に簡単ではなければ、29日よりももっと後ろかもしれませんし、わかりませんが、少なくともステークホルダーとのコミュニケーションを消化するのに1週間は最低限かかると思っていますので、29日ごろをめどにアウトプットが検討できればと思っています」

■以下追記

なお、今回のメディアブリーフィングでは重大な発表がなされているので紹介したい。Jリーグの親会社が子会社たるJクラブに対し、(試合数が減った場合でも)支払った広告宣伝費が(全額)損金算入されるという話題だ。

※太字部分を追記

税務上の話はやはり難しい。
この件整理すると、これまでも親会社が支出した広告宣伝費は一定の条件の下、損金算入できていたとのこと。その認識は持っていたのだが、インパクトが強い話題だったため、説明が曖昧になってしまったことを訂正したい。

なお、大島党首が書く解説記事が出るとのことなので、詳細の説明については改めてそちらをご一読ください。


この件についてまず質問したのは大島党首(@augustoparty)

まず、5月11日に、国税庁に対し以下の質問状が出される。

Jリーグの会員クラブに対して支出した広告宣伝費等の税務上の取扱いについて
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/080256/besshi.htm

これに対し、国税庁から5月14日に回答が出た。

取引等に係る税務上の取扱い等に関する照会(同業者団体等用)
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/080256/index.htm

つまり、国税庁が、昭和29年にプロ野球に対して出された通達と同等の扱いが可能になるというもの

「職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について」(昭和29年8月10日直法1-147)、法人税基本通達9-4-6の3

これはJクラブの財務上、非常に大きな一歩と言える。

なお、その後の質疑応答でJ以外のスポーツ団体、アマチュアに対しても適用されるとのこと。この件については村井チェアマンが「スポーツ団体に関してのスポンサーシップのあり方で、共通したガイドラインという認識ですので、非常に汎用性の高い内容かなと思っています」と述べている。

以下、該当部分の質疑応答

――(フリー大島さん)5月11日に国税庁のHPで、Jリーグの木村専務理事から照会ということで、その内容と回答、広告宣伝費の取り扱いについて、とうことで掲載がありました。この件について教えて下さい。
「(木村正明専務理事)
重要な話なので、説明します。
そもそも今後、もし予定通りの試合数、我々はすべて試合を行うつもりですが、もし予定通りの試合数がこなせない場合には、企業から頂いているスポンサー料、スポンサー収入はクラブの収益の半分で一番大きいが、ここについて解釈が難しい問題が生じてきます。
例えば1億円の売上の企業があるとして、スポンサー料をもし仮に1千万円頂いていたとしたら、その企業の課税される金額は1億円に対して1千万円を引いた9千万円に対して税金がかかるということになります。いわゆる広告宣伝費扱いということになります。ところがもし今回のコロナによって試合数が減った部分は、そこは広告価値が減るとみなされる可能性があって、それは税金を払ったあとにまた払わないといけないお金になってしまう。ようは税優遇が認められないとなる可能性があるので、ここの解釈をどう考えればいいのか、とういうことをスポンサー保護の観点から国税庁と話していました。
結論から言うと、今回に関してはもし試合数が減ったとしてもスポンサーがクラブの復旧支援のためにお金を返還要求しなかった場合には、当初の予定通り1千万円の部分が損金に算入されますよ、ということが今回国税庁との会話で明確になりました。

これは、今のご質問でいうと国税庁のFAQにも同じ日に出ています。これが一つ目。
もう一つが、その話し合いの過程で、親会社の扱いの話にもなりました。Jリーグ56クラブある中、実質親会社は20存在しています。
ここに関して言うと、実はプロ野球の親会社とは少し扱いが違った部分があったんですが、結論から言うとプロ野球の親会社と全く同じ扱いを認めていただいたということが今のご質問の答えになります。
例えば1年の間に追加してクラブ支援のために親会社がスポンサー料を追加した。例えば寄付金とか損失補填に見られかねないのですが、それもすべて先程言った損金算入という、自分たちのその親会社からの収入から差っ引けるお金として認めますよ、であるとか、親会社がクラブにお金を貸した場合、そのお金をクラブが使った場合に返さなくてもその使ったお金は、損金として算入できますよ、という税優遇がプロ野球には認められていたんですが、Jリーグのクラブにおいてもそれが認められる、ということが今回明らかになった。ということにあります。よってスポンサー、あるいは親会社の保護の観点から、このあたりに確認した結果、認めていただいたということになりますので、今のご質問からするとそれが回答ということになります」

「(村井チェアマン)
二つの話がありました。一つは、試合が当初の契約通り行われなかった場合、行われなかった部分は損金として算入されず、寄付として扱われると更に税金がかかってしまうんですが、これが寄付扱いではなくしっかり損金算入になるよ、というような解釈ができました。いままではどちらかと言うと、スポンサーにいらっしゃる担当税理士さんの判断で、解釈が別れるようなことがあったんですが、改めて今回すべてのスポンサーに共通の解釈が通達された、という理解をしています。
もう一つは親会社が損失補填等々のいわゆる損金算入される昭和29年だったかに、野球界にはそうした通達が出ていたんですが、今回改めてJリーグもそれと同じだという解釈をいただきましたので、そういう意味では解釈が別れていたものが統一され、Jリーグを支えるスポンサーにとってはとても大きな判断を示してもらったということで、大変ありがたく思っています。
これは、Jからの照会ということで国税庁のHPに掲載されている内容なので、ご確認ください」

――Iさん
国税庁との交渉は、各クラブの財務にとって大きいと思いますが、交渉についてはどういうメンバーで、どういう経緯で。Jリーグのみならずその下のカテゴリーにも適用されるのか。プロ野球、Jリーグ以外の競技にも適用されるのかも含めて教えて下さい。
「(村井チェアマン)
2点目については、たとえばJFLだったりなでしこリーグだったり、他のスポーツ団体、Bリーグであったり、プロのスポーツ団体に関してのスポンサーシップのあり方で、共通したガイドラインという認識ですので、非常に汎用性の高い内容かなと思っています」

「(木村専務理事)
すべてのスポーツになります。サッカーに置いてもJFLも該当します。アマチュアも該当します」

「(村井チェアマン)
交渉等に関しては相手があることなので、情報は限定させていただかなければならないですが、今回Jリーグの中のチームでは、木村さん中心に、途中からほぼすべてのミッションにおいてこうしたスポーツ団体の、いわゆる政策提言に木村さん、やってくれということで、木村さんと一人の若者で動いてきた結果だと言うふうに認識しています」

――フリーFさん
昭和29年の国税庁の個別通達が今回、Jにも下りたということですが、確認ですが、初期予算の広告宣伝費が上限なく非課税に。それから、赤字補てんも非課税ということで間違いないでしょうか。
「(村井チェアマン)
はい、問題ないと思います「」

「(木村専務理事)
はい、そのとおりです」

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