「川崎フットボールアディクト」

「勝ち点1の悔しさと、今に続く等々力の優しさ」/2003年11月23日 J2第44節 川崎vs広島【経験は歴史に】#5後編

前編から

■熱戦
共に3バックで臨んだ試合は序盤から広島の守備意識の高さが目立つ展開になるが、裏を返せば勝利が絶対条件のフロンターレが攻勢に出ていたという言い方もできるのだろう。

ノートに「広島のDF、すげー集中してる」とのメモが残されていて、両チームの立ち位置が伺える序盤だった。

そんな試合は前半23分のアウグストの直接FK弾でフロンターレが先制する一方、そのアウグストが与えたPKで広島が1−1としてハーフタイムに。

このハーフタイムでの広島・小野剛監督のコメントは、個人的に今でも印象深いものの一つ。ハーフタイムコメントにこれだけ長いものが出てくることがまずないということと、その感情のこもった内容に率直に驚いたのを覚えている。

【J2第44節 川崎F−広島戦レポート】小野剛監督(広島)ハーフタイムコメント(03.11.23)
https://www.jleague.jp/jsgoal_archive/jsgoal/detail.php?press_code=00003605

サンフレッチェ広島 小野監督

お互いにサッカーをやっている。
久々にサッカーをやらしてもらっている。
我々はこのサッカーを望んでいた。

相手は打ち合いのサッカーをして来ている。
我々も打ち合いを買って出よう。

俺たちが上だということをピッチで見せよう。

走って走って走りまくれ、気迫で圧倒しろ。
必ず勝てる。

J1昇格の重圧からの開放と、J2の難しさ。そうした背景が凝縮されたコメントが「お互いにサッカーをやっている。久々にサッカーをやらしてもらっている。」という言葉にあらわれていた。

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