「川崎フットボールアディクト」

自ら難しくした試合は、仙台の終盤の猛攻をしのぎ1−0で辛勝。連勝を9に伸ばす タイトル/J1 第21節 川崎vs仙台【レポート】

J1 第21節
10月10日(土)(18:03KICKOFF/等々力/8,263人)
川崎 1 – 0 仙台

■仙台のゲームプラン
等々力でフロンターレと対峙した仙台は、最大限のリスペクト持って臨んでいた。前からのプレスは鳴りを潜め低めの重心で布陣。全体をコンパクトにすることを重視していたが、フロンターレが前に圧力を掛けてくると、無理せずエリア内に下がり枚数をかけた。フロンターレからスペースを奪い、選手それぞれが目の前の選手をケアし局面での1対1に対応した。

その結果として、立ち上がりから試合はフロンターレのハーフコートゲームとなる。左ウイングで先発した三笘薫が単独で仕掛け、右ウイングの旗手怜央はジオゴ・マテウスと連携。この崩しに中村憲剛が加わり、右サイドを崩した。

前半12分には右サイド、中村憲剛、旗手怜央の連携でジオゴが最終ラインを突破。そこからの折返しに三笘が合わせる決定機が生まれている。

このシュート以前も、以降も前半の仙台はほとんどフロンターレ陣内に入り込めなかった。この割り切った試合運びについて右サイドハーフの道渕諒平が試合後に振り返っている。

「ある程度ああやって押しこまれることは想定内で、その中でどれだけカウンターを打てるか。その後にマイボールの時間を増やせるか。取ったボールを簡単にクリアするのではなく、パスをつないだり個人的にはボールをおさめて前進するところは意識してプレーしていました」

ボールを奪ったあとの攻撃にまで目を向けていた仙台だったが、結果的に反撃は限定的。仙台の前半のシュートは1本だった。この前半の戦いについて仙台の木山隆之監督は試合後に次のように述べている。

「前半にしっかりまず守って、なんとか試合を拮抗したものにという思いで試合に入りました。もちろん攻められる時間が圧倒的に長かったのですけれども、粘り強く守って、ゼロでいけたら、という思いはありましたけれども、ひとつ取られてしまいました」

ルヴァンカップ準決勝のFC東京の戦いぶりが念頭にあったのかもしれないが、あの試合の再現を狙うなら前半は少なくとも0−0で終わらせる必要があった。そういう意味で、仙台のゲームプランを打ち崩した小林悠の一発は貴重だった。

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