「川崎フットボールアディクト」

中村憲剛と鹿島サポーターの、心地よい交流【コラム】

中村憲剛がベンチに退く際、メインスタンドから向かって左側のフロンターレサポーターからの拍手はもちろん、右側に多く陣取る鹿島サポーターからの拍手も多く聞こえてきた。

鹿島サポーターの粋な対応に少しばかり感動しつつ、すぐに試合に意識を戻した。

1−1で終わった試合後、憲剛は鹿島サポーターが陣取るホーム側スタンドの方に歩み寄り、挨拶をした。

長年、熱戦を繰り返してきた鹿島のサポーターと憲剛とのコンタクトは、鹿島サポーターからの大きな拍手や、熱心に振られる日の丸といった敬意で返されることとなった。

よく、本気で殴り合った後の友情というたとえを使うのだが、今季限りで現役を退く憲剛と、鹿島サポーターとのノーサイドの精神のやり取りが、心地よかった。

必ずしもそうできていないチームもある中、鹿島サポーターが示したレジェンドに対する敬意は、Jリーグに特徴的な、他国にも誇れる美しい光景だった。

(取材・文・写真/江藤高志)

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