「川崎フットボールアディクト」

新旧の力が融合して浦和を圧倒。逆転勝利でホーム最終戦を飾る/J1 第33節 川崎vs浦和【レポート】

J1 第33節
12月16日(水)(19:03KICKOFF/等々力/11,387人)
川崎 3 – 1 浦和

■ホットライン
そのタイミングでパスが出てくるとは思わなかった。ただ、考えてみると、それこそが中村憲剛の真骨頂だとも思った。

その憲剛からのパスを受けた小林悠は、マーカーに先んじられた状態ながら、インパクトの瞬間に体を滑り込ませて右足を振り抜く。アシストの憲剛のフォームと言い、小林のシュートモーションと言いじつに、らしい得点だった。橋岡大樹には気の毒としか言いようがなかった。橋岡が悪いというよりは、相手にしたコンビが良すぎた。そういうゴールだった。

ゴールの小林は当初、視野に入っていた山根視来にパスする可能性を考えたのだという。

「アキくんから憲剛さんに入って、視来がランニングしてるのは見えてたので。まあまず憲剛さんに入った時に、視来に出すのかなって思ったんですけど」

しかしそこで小林は気がつく。見覚えのあるフォームにだ。

「なんかこの半身の感じのあのフォームと言うか、ボール持った時の感じで、やっぱりなんか、長くやってるからか、上げて来るなって、ちょっとこう勝手に体が動いたと言うか」

あとはうまく先に触れたことがゴールにつながったとのことで「あのタイミングで出してくれた憲剛さんもすごいと思うし、反応できたのは、長くやってるからと思います」と振り返った。

後半61分。守田英正と三笘薫という、今季のフロンターレの活躍を象徴する若い二人が試合をひっくり返した直後のダメ押し点だった。

これがリーグ戦での等々力の今季ラストゲームで、だからこそ中村憲剛と小林悠の活躍をうっすらと期待はしていたが、それを実現してしまうところに彼らの凄さがある。そして驚いたことにこれが彼らの今季初めてのホットラインでもあった。

■先行を許す展開

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