「川崎フットボールアディクト」

三笘薫、田中碧の得点で勝利。J3王者・秋田の挑戦を退け元日決勝へ/天皇杯準決勝 川崎vs秋田【レポート】

天皇杯準決勝 川崎vs秋田
12月27日(日)(13:05KICKOFF/等々力/9,772人)
川崎 2 – 0 秋田

■慎重な立ち上がり

負けたら終わりの一発勝負で、相手は2つ下のカテゴリーのチームだ。仮に先制点を奪われるような事があれば厄介な試合展開になるというリスクがあった。フロンターレが試合を慎重に進めるのには訳があった。

一方の秋田の試合の入りは、ゲームプラン通りだったのだという。磐田でキャリアをスタートさせたあと、J1のクラブを渡り歩いた秋田の加賀健一が試合後に振り返る。

「前半、しっかり0で抑えることがまずは最低限かなと思ってたんですけど」

今季のJ1を圧倒的な強さで制したフロンターレに対し、ジャイアントキリングを実現させる第一歩として、前半を無失点で終わらせる。その上で、あわよくばカウンターやセットプレーで先制する。そんな青写真を描いていた秋田との対戦が無難な立ち上がりになるのはある意味当然だった。

秋田がそうあるようにフロンターレも自陣の深い位置でプレスを受けた場合、無理をせずに長いボールで逃げてリスクを回避。様子を見た。結果的にそこかしこでボールがこぼれる落ち着かない立ち上がりになったのは、そういう理由があった。

そんな試合は、8分の守田英正のミドルシュートの時間帯を境に落ち着きを見せ始める。大島僚太が蹴るコーナーはレアンドロ・ダミアンの頭を経由して際どいシーンを作るが、ゴールにまでは至らず。ただ、強烈な秋田の個々の選手の守備に対し、フロンターレの選手たちもパスワークで対抗。ボールを前に持ち出すことで秋田のラインを押し下げ、フロンターレが分厚くボールを握れる時間が出来始めた。

秋田のボランチ、山田尚幸はフロンターレの上手さに脱帽するしかなかった。

「自分達のボール保持は難しくて。川崎さんが一人ひとりうまいですし、ボールを失わないというところだったので」

もちろんボールを握られるのは秋田としては想定済みで「ボールを持たれるのはもう、試合前から想定内だったので」と加賀。その加賀はある程度ボールをもたせたあと、秋田のストロングポイントであるセットプレーやカウンターで得点チャンスを伺っていたのだという。

「やっぱりうちらが今年やってきた、セットプレーで点取ったりだとか、あとは縦に早く奪った後、縦に早くで、カウンターだったりとかそういったところで、得点チャンスがあれば良かったと思います」

攻撃に持ち込めない展開である以上、失点すると厳しくなる。三笘薫の先制点は、そんな試合展開の中で決まったものだったという。

■先制点

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