「川崎フットボールアディクト」

【えとーセトラ】2020-21年末年始取材記

■12月31日 第99回高校選手権1回戦

ありがたいことに高校選手権の取材パスを出してもらえました。
例年大分県代表を取材している関係で、今大会は等々力会場を中心に取材申請を行いました。全大会がゼットエーボールパーク(市原臨海)だったのを考えると、今大会は楽で助かりました(笑)。

ということで、大晦日の等々力で開催された1回戦の2試合は次の通りです。
第1試合が桐蔭学園対東福岡。第2試合は星稜対作陽。
第1試合では神奈川の桐蔭学園が初戦敗退したのは残念でしたが、東福岡はやはり強かったです。第2試合は点の奪い合いの結果PK戦で決着。作陽が勝ち上がりました。

試合終了直後の悲喜こもごもの表情は遠く2階にある記者席からしか見られませんでしたが、当初予定されていたZoomによる会見は機器の不調のため急遽会見方式に変更。ビニールのシートの向こう側でしたが、4チームの監督選手が取材対応してくれました。

やはりコロナに関する受け答えも多く、今年の取材体制の特殊さが改めて浮き彫りになったなと感じました。

また今大会はコロナ禍のためチケットは一般販売されず。ブラスバンドなどを使った応援がないスタジアムはやはりちょっと寂しいものがありました。仕方ないんですけどね。

2020年の取材は等々力で終える事ができました。等々力の神様、一年間ありがとうございました。

■1月1日 第100回天皇杯決勝

フロンターレにとって2度目の天皇杯決勝は前回大会も目指していた新国立の舞台でした。

試合の方は予想以上にG大阪が守備的で、前半からフロンターレの一方的な試合に。シュート数に比例して得点が決まっていればよかったのですが、ご存知の通りスコアは1−0。三笘薫の得点は、それ単体で見れば美しいものでしたが、試合としてのゴール数は1点のみ。それは部外者から見た場合の試合の地味さにつながったようで、複数の知人から「フロンターレ強かったけど、試合はつまらなかったね」と言われました。なかなか厳しい。

個人的には決勝の舞台でG大阪さんを圧倒するフロンターレの攻撃を楽しんでいたんですが、サッカーにおける得点は、やはり大事な要素だということでしょうか。

それはそれとして、フロンターレは2021年を優勝でスタートさせることができました。2020年シーズンの締めくくりという意味でも関係者のみなさんのご尽力に感謝します。

■1月2日 第99回高校選手権2回戦

第1試合の富山第一と日本文理大附が今大会のお目当てだったのですが、応援していた大分県代表の日本文理大附は1-2で敗戦。何年かに一度強い大分県代表が出てくるのですが、今年もわりと予想通りに初戦敗退となりました。この件については色々と構造的な問題があるようです。

第2試合は作陽対東福岡で、こちらはPK戦突入かと思われた後半80+3分に東福岡が決勝点。劇的でした。ちなみに東福岡はPK戦対策で80+2分にGKを交代していたのですがその直後に1点リードして、逆の意味でハラハラしました。

この試合が2021年の等々力はじめでした。

■1月3日 第99回高校選手権3回戦

等々力会場で取材する3回戦は、第1試合が神村学園対富山第一でした。神村学園というと橘田健人の母校です。ちなみに富山第一が1−0で勝利しています。
第2試合は矢板中央対東福岡で、矢板がとにかく守り抜いて0−0で試合を終わらせる頑張りぶり。PK戦は東福岡が3人連続で外してしまい、矢板が3−1で勝利しました。ちなみに矢板のGK藤井陽登くんは去年も取材させてもらっていて懐かしかったです。ただし取材がZoomのため、時間制限があって深い話は聞けず。出身の青森の強豪、青森山田との対戦についての思いを聞きたかったのですが、残念です。ちなみに去年も青森山田との対戦に向けて、あと一勝というところまで行きましたが、準決勝で対戦した静岡学園に後半ATに決勝点を奪われ敗れています。

今年は準々決勝で対戦する富山第一を下せば準決勝での対戦が予想されます。こちらはちょっと楽しみです。

取材後、知人3人とささやかに新年会。ごちそうさまでした。

■1月4日 2020JリーグYBCルヴァンカップ決勝

Jリーグの2020年シーズン最後の公式戦ということで、延期されていたルヴァンカップ決勝が新国立で行われました。
普段からフロンターレを見てきたこともあり、少し大雑把な試合展開になっていたなあというのが率直な感想です。試合中、色々な場面で「そこで簡単に蹴らなければいいのに」などと思って見ていましたが、天皇杯決勝でフロンターレと対峙したG大阪がそうであったように、決勝という舞台ではセーフティーに戦うのがセオリーなのは間違いありません。そんな試合はFC東京がオルンガを完封して2−1で勝利。これで多摩川コンビで国内三冠ですね(笑)。

ということで、このルヴァンカップ決勝をもって2020年シーズンのJリーグは完全に終了。色々あった1年間を無事に締めくくる事が出来ました。良かったと思います。

試合後、村井満チェアマンが会見に応じて感想を口にしましたがその中で印象に残ったのが、観戦スタイルに言及した部分でした。

「応援スタイルもご覧なっていただいてわかるように感染ガイドラインをしっかり守って頂いたファンサポーターの皆様のおかげで無事終えることができました」

指笛やブーイング、判定やプレーに対する罵声などは記者席には聞こえてきませんでした。ゴールシーン、試合終了時に多少の歓声はあったかもしれませんが、思い出しても思い出せないレベルでした。村井さんがこの件について試合後の会見で特に言及されていて、無理を強いている今の観戦スタイルと、それを受け入れているサポーターへの感謝の思いが強く伝わってきました。

なお、村井さんによるとこの試合は英語版youtubeにて全世界に配信されることが決まったそうです。その件に言い添えるように村井さんは「おそらくプレーの内容もさることながら、日本のこの応援スタイルが世界に発信ができたかなという風に思っております」と口にされていました。この試合の両チームサポーターのマナーにいたく感激されたようでした。

首都圏に限定した緊急事態宣言の発出が検討されるくらいにコロナが拡大しつつありますが、だからこそ、秩序のある観戦マナーを示せたのは大きいのかなと思いました。Jリーグはここまでクラスターを発生させていないというのは大きいかなと個人的には思っています。

(取材・文・写真/江藤高志)

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