「川崎フットボールアディクト」

レアンドロ・ダミアンと谷口彰悟が試合後にコメント。東日本大震災について【コラム】

光陰矢の如しという言葉があるが、早いもので2011年発災の東日本大震災から今日で10年になる。

先日の3月6日のユアスタでの仙台戦と、10日の徳島戦の試合前に震災で亡くなられたみなさんを悼み黙祷が。また徳島戦後には「3.11 Mind-1ニッポンプロジェクト復興支援活動」の一環として制作されたTシャツを着用して選手たちは場内を一周している。

そんな徳島戦後、レアンドロ・ダミアンと谷口彰悟に震災から10年目の節目を迎えるということで質問が出た。

ダミアンは「実際におととし(2019年)ですか。現地(陸前高田市)の方には行っていろんな話を聞いたりいろんなものを見たりはして、凄く悲しく残念な気持ちになりました」と自身の体験を振り返りつつ「実際にそこに関わった人たちに対しては、すごく残念で悲しい気持ちにはなるでしょうけども。それを逆に自分たちはビッチの中で彼らに力を、喜びを与えてあげたいなって思っています」と述べていた。今季好調を維持しているダミアンにはこれからも攻守で被災地を励ましてほしいところ。

また谷口は陸前高田市との関係性の変化について次のように言及している。

「川崎フロンターレとしては、震災直後から支援はブームじゃないっていうことを合言葉にしながら、継続してずっと支援してきたり。年数が経ってくると、支援というような形じゃなくて、なんかお互いがお互いを支えあっていくような、非常に良い関係を築けたりもしてるので」

ただ、やれることは続けたいとも述べており、これからの連帯について見据えていた。

「完全な復興っていうところはまだまだだと思ってますし、僕らにできることをこれからも継続してやっていきたいなっていう思いです」

フロンターレはコロナに襲われた昨季を除き選手会主催で毎年陸前高田市を訪問してきた。現地での交流を続け、陸前高田市との絆を深めてきたという経緯がある。

なお徳島戦を前にした8日のweb会見では鬼木達監督にも震災についての質問が出ているので紹介しておく。

「この前のスタジアムの雰囲気(3月6日のアウェイ仙台戦)だとか。そういうものも改めて肌で感じることができて、やっぱりみんなで、試合中は敵同士ではあるんですけど。やっぱり試合前も、終わってからも、サッカー人というかサッカーの仲間として何ができるのかというものを改めて感じましたし。仙台の選手だったり、(手倉森)誠さんのコメントを聞いてても、そういう復興への思いを感じたので」

また連戦のため、6日の仙台戦後に陸前高田市に足を運べなかったことにも言及。自分たちができることをやりたいとも述べている。

「いつもだったら仙台の後は復興の活動ができるんですけど。今はちょっと連戦でできなかったり。ただそれでも離れた場所でも自分たちでやれることとかはどんどんどんどん改めてやっていきたいなと思いましたし、やっぱり風化させちゃいけないものなんだなというふうに思っています。ほんと、自分たちのできることはサッカーで恩返しという言葉を良く使いますが、でも本当にやれる事ってそういう事しかないと思ってるんで。自分たちはそこにフォーカスしながらやっていきたいなと思っています」

東日本大震災から10年目を迎えた今年、被災地のことはもちろん、これから起きうる新たな災害に向け、色々なものを見直すきっかけとなればと思う。

(取材・文・写真/江藤高志)

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