「川崎フットボールアディクト」

相手の強い気持ちを跳ね返すのは、まず自信/J1 第27節 vs札幌【プレビュー】

敗戦がニュースになるチームも珍しいが、フロンターレがそれだけ負けていなかったということ。また2位横浜FMが勝ち点1差にまで肉薄しており、前節の敗戦は特に注目されることとなった。そんな中行われるこの札幌戦は移動距離の長いアウェイの中2日での連戦ということになるが、チームの底力を見せてもらいたいと思う。

ポイント1「対戦チームの強い気持ち」
ポイント2「打開してこその王者」
ポイント3「札幌を、剥がせ」

■ポイント1「対戦チームの強い気持ち」

先日の福岡戦について、少なくない数の福岡サポーターが「福岡の歴史に残る名勝負になるかもしれない」と喜んでいた。奇しくも福岡とフロンターレは1998年のJ1参入決定戦を歴史的な試合だとして共有している。福岡にとって「博多の森」での歴史上の一戦を超える価値を持つのかもしれないと、喜んでいたのだ。

先日の福岡戦は、対戦チームのサポーターにそう思わせるだけの試合だったということ。サポーターがそう思うのだから福岡の選手たちも同等の思い入れを持っての試合になっていたはず。強い相手に挑む試合は、それだけに力が入るということ。強いチームとして認識されているフロンターレが今後勝ち進んでいくのは、そう簡単ではないということでもある。

その福岡戦について改めて疑問に思ったことがあったので鬼木達監督に聞いてみた。後半の飲水タイムについてだ。通常、後半の飲水タイムは66分〜67分ごろに行われる。それがこの試合では80分まで行われなかった。

ちなみに福岡の3枚替えが62分で、フロンターレの2枚替えが64分。そしてジョルディ・クルークスによる失点が66分という時間帯だった。もし仮に通常の時間帯に飲水タイムが設けられていたら、少なくともフロンターレ側はフォーメーションチェンジの確認や失点による動揺を抑えられていたのかもしれない。そんなことを考えつつ鬼木監督に質問してみた。

「まあ、(影響が)あったとは言い切れないですが。ただまあ、早ければ早いほど、やっぱり手は打ちやすかった、っていうのは正直な気持ちありますね」と話し始めた鬼木監督は「やっぱり特にああいう劣勢な時と言うか。選手たちが焦っている時に、やっぱり方向性を示す上では、全員が集まれる場。まあ作戦会議はダメですけど、でもやっぱりみんなに声かけられるタイミングなので」と指摘して、貴重な時間だとの認識を示した。

ただ、鬼木監督はそうしたイレギュラーな出来事に対しても「まあでも、それはゲームの中ではあることなので。それは仕方ないというか、普通のコトなのかなと思っています」と述べている。誰かのせいにするのではなく、矢印を自分たちに向ける。そんな鬼木監督の考えが伝わる答えだった。

なお、福岡を率いる長谷部茂利監督とはS級の欧州研修中に同部屋だったということで旧知の仲。試合後も二人で話し合う様子が見て取れたが、改めて敗れたのが長谷部監督だったことについて納得感もあるのではないかと聞いたところ、こんな答えが帰ってきた。

「やっぱりすごく納得感はありますよね。やっぱりこう、何ていうんですかね。そこら辺は何だろう、ハセさんの力がやっぱり勝った。というふうに僕は思っていますし、やっぱりいろんな意味で昨日のゲームは、そこ(監督力)の差が出たんだろうなという風に感じてます」

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