「川崎フットボールアディクト」

参入戦前最後の公式戦で逆転勝利/プリンスリーグ関東 第18節 川崎U18vs矢板中央高校【#オフログ】

12月5日に等々力競技場にて行われたJ1優勝報告会&U-18壮行会に先立ち、プリンスリーグ関東最終戦が行われた。

矢板中央高校との対戦は、押し込まれる前半23分に先制点を奪われる展開に。それでも川崎U18は折を見て右サイドから高畠捷がオーバーラップしたが、クロスが合わず。

3784人と発表された入場者に「前半なんかは、いつもと違う、悪い方に出た選手がちらっといたんですけど」と苦笑いする長橋康弘監督の言葉が冗談なのか本心なのかはさておき、矢板中央のGK藤井陽登も前後半で違いがあったと振り返る。

「チャンスを決めきれなくて、逆に決められてしまったというのがやっぱりそこは修正しないといけないところですし、前半の戦い方は良かったと思いましたが、後半は受け身になった感じで。そこはもっと思い切って前に出たりしていかないといけないのかなと思いました」

長橋監督はハーフタイムに「戦えって、そこだけは目を光らすということで」伝えたとのことで、それ以外のことは「選手たちが勝手にやってくれてるっていうところは、ほんと素晴らしいなと思います」と述べる。今季、選手たちを自立させる、自主性を伸ばそうと取り組んできた成果なのだろうが、選手間で課題をぶつけ合うロッカールームだったようだ。

そんなハーフタイムを経て迎えた後半は、川崎U18が押し込む展開に。

60分に田中幹大がファインゴールを決めると、83分には岡野一恭平(おかのいち・きょうへい)がドリブルで運んだボールを引き受けた五十嵐太陽が、絶妙なコースに蹴り込んで川崎U18が逆転に成功した。

ちなみに五十嵐は自らの得点について、よく入ってくれたゴールだったとして、「本当に、入る自信もなく、一瞬の判断で、思い切って打ったというか、コースが見えたっていう感じで打ちました」と振り返っている。見えたコースに狙って打ったシュートではあったと話すが、入ってよかった、というゴールだったという。

ちなみに2失点の矢板中央、GK藤井は「1失点目はノーチャンスだと思いましたが、2失点目は結構ボールのスピードも遅かったので、行けるかなという感じだったので。そこは準備不足だったりですね」として「コースは良かったんですが、あれを止めないといけないかなと思います」と自らを戒めていた。

ゴールを決めた五十嵐と、それを受けた藤井の意見が真逆の方向で合致していて、興味深かった。

いずれにしても4000人弱の観客を集めた試合は、2−1で川崎U18が勝利。来週末に広島で行われるプレミアリーグ参入プレーオフに向け、いい形で臨めそうだ。

○長橋康弘監督
「本当にここまで、プレミア参入戦に向けて、とにかく出場するっていうところを目標に掲げてきたんですけど。これ勝たないとですね(笑)。優勝したってことは素晴らしい事なんですけど、やっぱり昇格しないと意味がないというか。それを勝って初めて、目標達成できたねっていうことは選手たちとミーティングで、幾度となく確認しあってきたことなので。なんとか来週勝って締めくくりたいと思います」

○青山海(キャプテン)
「1戦、1戦が大事だと思うので、今日勝つっていうところが、プレーオフにつながることは確認してたので。今日勝てたことは良かったです」

○五十嵐太陽
「絶対に勝つ、結果にこだわるということを意識してましたし、1失点してハーフタイムに長橋監督もプレーオフでもこういう状況はあるかもしれないということで、そこからチームが逆転できてよかったです」

(取材・文・写真/江藤高志)

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