「川崎フットボールアディクト」

天皇杯準決勝、決勝3試合を収容率100%で実施するにあたり【ニュース】

第101回天皇杯準決勝と決勝の3試合について、収容率100%でのチケッティングが行われている。この件についてJFAの須原清貴・天皇杯実施委員長のステートメントがJFAよりリリースされたので抜粋して紹介します。

「天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会は、今週12日(日)に準決勝、19日(日)に決勝を迎えるステージとなりました。
(中略)
ここからの3試合は、観客収容率100%で運営してまいります」

との書き出しで始まる須原委員長のステートメントは、収容率100%の実施に向け「日本サッカー協会は、政府の方針に則り、11月下旬に『感染防止安全計画』を開催自治体に申請」したと明かす。

この「感染防止安全計画」は、スタジアム内で感染が広がらないよう試合をどう運営するのか。導線や警備、感染対策の計画に加え「観客の皆さまの観戦ルールを中心に記したもの」だとのこと。この「計画」の順守を前提に「各自治体に収容100%での開催をお認めいただきました」とのこと。

本ステートメント中で、観戦ルールの一部として取り上げられているのは以下の通り。

・不織布マスクの着用
・手指の消毒
・コンコースや移動時のソーシャルディスタンスの確保
・自席以外では飲食をしない
・チャントやコールなど声を出しての応援をしない

観戦ルールの詳細はこちら

なお、感染拡大防止のため会場内でのアルコールの販売は行わないとのことも付記されている。

開催自治体との約束ということで「各クラブのファン・サポーターの皆さま、ご来場の皆さまには、会場内でのルール徹底にご協力をお願いする次第です」と述べられている。

この須原委員長のステートメント中、特に印象に残ったのが声に関する項目だった。

「『声』に関しましては、本来であれば、サッカーのゲームは選手、チームがピッチ上で魅せる攻防のみならず、サポーター・ファンの歓声やどよめき、チャントやコールが素晴らしい雰囲気を創り出し、さらにはチームのパフォーマンを引き出す非常に重要なものだと考えています。そういったスポーツの日常を取り戻したい、その気持ちは変わりません。どのような状況になれば心おきなく声を出して応援いただけるのか、日本サッカー協会は引き続き、政府、自治体、感染症の専門家の皆さまと連携しながら模索してまいります」

サポーターの声が作り出すスタジアムの雰囲気が試合をサッカーには不可欠な要素だということを認めつつも、それ以上に大事なのが感染の拡大防止で、そのために現状は声出しできないことを受け入れてほしいという内容になっている。

なお、スタジアムの日常を取り戻すべく、この天皇杯準決勝、決勝では「産業技術総合研究所にもご協力いただき、感染対策の各種調査が行われます」とのこと。この3試合を通し「安心、安全にスポーツを楽しんでいただく環境があることを証明するためにも、しっかり協力してまいります」としている。

現在、Jリーグでは、来季の試合での収容率100%のスタジアムを目指して検討が続けられている。感染防止のための観戦ルールを守れれば、収容率100%でも感染は拡大しないことが証明できればJリーグに収容率100%のスタジアムが戻ってくる。その第一歩として、この天皇杯の3試合が位置づけられていると言える。

「我々も各対策を講じながら運営に努めてまいります」とし、だからこそ「ぜひとも観戦ルール徹底へのご協力をお願いいたします」との須原委員長の言葉でステートメントは締めくくられている。

ある意味、Jサポーターの良識が試される満員のスタジアム、ということが言えそうだ。ぜひとも観戦ルールを守っての観戦をお願いしたいと思います。

(文・写真/江藤高志)

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