「川崎フットボールアディクト」

脇役が下支えした逆転勝利/J1 第10節 vs浦和【レポート】

J1 第10節
3月2日(水)(19:03KICKOFF/等々力/14,696人)
川崎 2 – 1 浦和

■踏みとどまった、塚川孝輝

浦和を連続ゴールで逆転し、勝利を掴んだ試合後。鬼木達監督は「多少、いろんなイレギュラーなことがありましたけれども」と述べ「それを乗り越えてしっかりと戦ってくれたなと思います」と述べ、選手たちへの謝意を口にした。

イレギュラーな出来事の一つが知念慶と佐々木旭のベンチ外だった。鹿島戦で得点を決め、結果を残した両選手は、ここからのさらなるアピールでレギュラーポジションを奪おうと狙っていた選手だ。その両選手の不在は体調不良によるものだった。

左サイドバックの控えを欠いて始まった浦和戦は、開始25分に登里享平が負傷。スタメンの11選手中、最も替えの効かない選手を失う形となる。

26分に登里に代わり交代出場の塚川孝輝は「左サイドバックは、練習でもやったことなかったんで。本当にちょっと、戸惑いがすごくあって」と左サイドバックとしてのプレーを振り返る。浦和という難敵との大事な一戦に未経験のポジションを与えられた塚川の必死のプレーが裏目に出たのが33分の場面だった。

「あれは頭から突っ込んでクリアしようと思って。先に触れると思ったんですけど。コケたわけではないです。頭から突っ込みました」

バツが悪そうにそう苦笑いする塚川は、このFKで失点したことで「ちょっとメンタル的にもやばいなーっていう感じになっちゃってた自分がいた」のだと明かしている。

それでもハーフタイムまでを乗り切った塚川は、ロッカールームで自らと向き合い、メンタルを整えたという。

「ハーフタイムの時間に自分に問いかけながらできたんで。そこでうまくなんか、吹っ切れた部分が、ああいう形(2点目の起点を含めた後半のプレー)になったんで。そこは良かったかなと思います」

ハーフタイム中「自分で一杯一杯だったので」とも話す塚川は、チームオーダーとして提示された「相手のディフェンスラインの裏の斜めに走るところのスペースを上手く使おう」という指示をしっかりと把握。

「そこに自分がうまく流し込めれば、ということも考えつつ。あとは自分自身が自信をもってやることがチームにいい影響が与えられると思ったので。そこだけ集中して入りました」 と振り返っている。

塚川が崩れることなくしっかりと立て直してくれたことが、この浦和戦勝利の要因の一つだった。

■連続得点

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