言い訳できる環境と、それを跳ね返すだけのタフさの必要性/ACL2022 GS第5節 vs蔚山現代【レポート】
ACL2022 GS第5節
4月27日(水)(17:00KICKOFF/Tan Sri Dato’ Haji Hassan Yunos Stadium/217人)
蔚山 3 – 2 川崎
■なぜだか勝てない相手
フロンターレを3−2で下した蔚山現代の天野純が振り返る。
「なんか、オレだけが少しビビってる感じがあって。でも、(蔚山のチームメイトは)みんな、勝てるっしょっていう感じです。オレだけです苦手意識あるの。はい、横浜時代の苦手意識が出てました」
そう話す天野が横浜FMに加入したのは2014年。この年こそ横浜FMはフロンターレにシーズンダブルを達成しているが、天野が出場機会を得るようになった2015年から21年シーズン(途中海外移籍しているが)までの7シーズンの対戦成績は、ナビスコ杯も含めた16戦でフロンターレから見て9勝3敗4分けというもの。
冗談交じりで「ビビってた」と話す天野の体感は割と当たっているのかもしれない。今季のJ1所属クラブのうち、15年から21年までのフロンターレはC大阪と福岡を除く全てのクラブとの公式戦で勝ち越している。フロンターレは、国内他クラブの選手が苦手意識を持っていて不思議ではないほどの強さを示している。しかし、なぜだか蔚山には全く勝てていない。
鬼木達監督が指揮を取り始めた2017年以降、蔚山とは前回の第1節の対戦まで6試合対戦して3分け3敗。この第5節の敗戦で3分け4敗と黒星がさらに一つ増えてしまった。国内では向かうところ敵なしの強さを誇るチームにこれだけの苦手チームが存在していることも珍しい。
だから、天野が感じていたというフロンターレに対する苦手意識も、フロンターレに対する蔚山の選手たちの「勝てるっしょ」との雰囲気も、それぞれの選手の経験によってもたらされた空気感なのだろう。
そして、口にこそ出さないが、フロンターレの選手たちが潜在的に蔚山に対し苦手意識を持ってしまっている可能性も、それが試合結果に影響を及ぼしている可能性も否定はできないのだとも思う。もしそうなのだとすれば、その苦手意識を払拭するのはそう簡単なことではなさそうだ。
■難しかった環境
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