中野吉之伴フッスバルラボ

ドイツで暮らす子どもが日本のサッカークラブに短期入団して何を感じたか?子どもの素直な声を聞いてみよう

日本とドイツのジュニアサッカーの違いって何?

今回は、僕の目線で違いを見るのではなく、それを実感した人たちに聞いてみることにした。普段はドイツ暮らしだが、日本に一時帰国した際にサッカークラブの練習や試合に参加したことがある小学生3名(4年生=2名、1年生=1名)と、そのうちの一組の両親に話を聞いた。

協力してくれた5名の感想をストレートに受け取ってもらいたいため、あえて僕の解説や意見は加えない。実際に「日本でプレーした子どもたちの感想」、また「両親が感じた素直な思い」に耳を傾けると、日本で生活を送るみなさんには気づかなかったことや見えなかったものが認識できるかもしれない。

それぞれの頭と心の中でイメージを膨らませながらご一読いただきたい。

▼日本でサッカーやってきて違いはあった?

4年A「すごい違いがあった」
4年B「全然違う」

中野「たとえば?」
4年A「うーん、クラブハウスがないとか?」
中野「練習場にシャワーするところは?」
4年A「なかったね。まぁ、そこまで困らなかったけど」

4年B「あとね、日本だとボールを自分で持ってくる」
4年A「そうそう、ドイツだとクラブにボールがあるよね」
中野「それはどっちがいいの?」
4年A「ドイツの方がいいよ。だって、みんなそれぞれボールが違うから。慣れているボールの方がいいんじゃない?」

4年B「あと、水筒がでかかった。すごい大きいの!」
4年A「そう!」

父親「この前の夏ですが、最初子どもと奥さんが先に帰ってたんですね。電話で様子を聞いたら『樽みたいな水筒で飲んでいるよ』って言われて、『いや、それは大げさだろう?』って笑ったんですけど、日本に行ってみたら本当にそうだった」

4年A「日本の子は暑さに負けないね。僕は最初のトレーニング、10分でもうだめになっちゃった。暑くて暑くて仕方がなかった。ウォーミングアップ、終わった後すぐに休憩が必要だったよ。あと、場所も違うよね。ドイツは芝でサッカーできるけど、日本は土のところが多い。空き地みたい、自分のグラウンドがなくて。場所によってはデコボコだったり。そういえば、トンボっていうの? あれで整備するのは日本ではじめてやった」

4年B「僕は練習したの体育館だけだったかな。毎回場所が違ったな」
1年生「僕が思ったのは、日本の体育館はせまかったかな。あとゴールがすぐに壊れちゃう」
中野「ああ、あの組み立てて使うゴールかな?」
1年生「そう! 一回強いシュート打ったら当たってぶっ飛ぶんだよ。バラバラになっちゃった」

(残り 2966文字/全文: 4006文字)

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