まじめな子ほどもっと頑張らないとと苦しんでしまう。だがそうしたあり方はおかしいのだ
▼日本の指導者や保護者に何を伝えたいのか?
技術習得のコツ、戦術理解の大切さ、小手先ではない本質的なプレー…そうしたものもサッカークリニックや指導者講習会などの帰国活動の中で感じ取ってほしいと思う。だが、「それ以上に大切だ」ととらえているものがある。
それは「サッカーとの向き合い方」だ。
サッカーは楽しい。楽しいと夢中になれる。夢中になっていると一生懸命になれる。一生懸命になっているとサッカー「も」うまくなる。そういうサイクルが自然と出てくる環境が最も望ましい。
トレーニングが終わったときに、子どもたちが「次のトレーニングが待ち遠しい」という気持ちになってほしい。指導者も、保護者も、そして、子どもたちもみんながそういう思いが湧き出てほしい。でも気づかないうちに、それぞれの思惑がねじ曲がってってしまうことがある。
「もっとうまくなるために」
「もっと勝てるようになるために」
「もっと真剣に取り組むために」
「もっとがんばるために」
向上心や野心が成長に欠かせない要素であることは確かだ。しかし、それは長期的な視野でとらえられた健全な目標設定のもとで考えられなければならない。そうでなくては、大人にとっての「将来のため」と、子どもにとっての「将来のため」の思いがずれてしまう。
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