中野吉之伴フッスバルラボ

U7=幼稚園年代の指導はどのように行ったらいいのか?

▼そもそも「U7における指導の目的」は次の事柄だと考えている。

1.自分から取り組む姿勢を育むための基盤づくり
2.様々な動きを体験する
3.サッカーというスポーツと知り合う

この年代で大切なことは、サッカーと出会う子どもたちが体を動かすことの楽しさを全身で感じながら「サッカーってどんなスポーツか」を知る機会を指導者が作ることだ。

子どもたちにとって特に大事なことは「トレーニング」ではなく、「遊び」をすること。それを通じて気づいたら「サッカー的な要素に少しずつ触れ合えていた」という状況を創造することだ。

例えば、「ドリブルをトレーニングするぞ」と言って、コーンドリブルを練習するのではなく、「足を使って、誰が一番早くコーンにぶつからないようにボールを向こうまで運べるかな?」と「遊び」に変えてしまう。

そうすると、子どもたちはその遊びがうまくいくようにチャレンジするし、成功して喜び、失敗して悔しがる。指導者や保護者から見れば同じような練習なのだが、子どもにとっては内容が全く違うものなのだ。

また、何事も子どもたちが「自ら関わろう」という姿勢を持たせる意識を育むことが欠かせないと感じる。ドリブル競争でも、コーチがコーンの位置を決めるのではなく、「子どもたちにそれぞれ配置させる」ような試みもおもしろい。

コーンを相手チームに見立て、「どこに、どう置くとドリブルがやりやすいか?」をみんなに相談させる。そして、一度置いてみたら、「どうだったか?」を仲間に確認させて、指導者が「こうしたらどう?」というヒント=助け舟をタイミングよく出してみる。

「リレーにしてみようよ!」
「後ろ向きでドリブルー!」

そうやって自分たちからアイディアを出し合って、チャレンジする空気づくりができたらすばらしい。私の持論だが、「練習は与えられるものではなく、みんなで作り上げていくもの」だと思うから。

(残り 3226文字/全文: 4008文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ