U11=小学校中学年から学ぶ中盤というメカニズムをトレーニングでどう身につけるのか?
▼U11=小学校中学年のトレーニングはどのようなことに気をつけたらいいだろうか。
まず、ドイツでは「試合環境」がU9までの5人制からU11=小学校中学年では「7人制」になる。最も大きな違いは「中盤」という概念が必要不可欠になることだ。ただ気をつけてほしいのは中盤というポジションではなく、「中盤という役割を理解すること」だ。
自陣でボールを回しながら前線にパスを届けたいが、相手チームもしっかりと守ってくる。そうすると、簡単にパスを通すことはできないし、無理にパスやドリブルで運ぼうとしたら相手にボールを奪われて逆にピンチに陥ってしまう。
そこで、「ボールを中盤に預けて相手を動かしながらチャンスメイクへとシフトチェンジする局面を作り出すことが必要になる」というわけだ。
中盤という役割が入ることで、パスやドリブルでボールを運ぶ際にこれまで以上に奥行きと広がりが生まれる。相手の守備からすれば、単純にDFからFWへパスを出されるよりも、縦や横にパスやドリブルでワンアクション入れられた方が対応することが難しくなる。
パスの出し手と自分のマークだけを見ておけば済むわけでなく、それ以外にも目を向けなくてはならないからだ。
トレーニングで重要なポイントは、相手がしっかりした対応をとってきたときにどのような対処法を見出せるかになる。
「難しいことをしなくても、個人技で突破できる」
「スピードの速いFWにロングボールで蹴り出せば抜け出せる」
こういう見方をする指導者もいるかもしれない。しかし、それだと相手の力が上回った場合、どうすることもできない。そして、誰でもそうした状況に間違いなく遭遇することになる。
担当している学年を指導している間にはなくとも、学年が上がり、中学・高校になり、大人のサッカーになったときに、どこかで壁にぶつかる。一度身についた習慣を修正するのはいつでも大変だ。指導者は大人だから体験しているのではないだろうか。
「ゴール前では積極的にシュート!」
指導者としてそう口にする自分がいながら、実際に自身がプレーするときはゴール前で完全に躊躇して味方にパスを出してしまう。「なんで打たなかったんだろう」と後悔する。そんな経験がないだろうか。頭にこびりついたものを後になって払拭しようとしてもなかなか難しい。
だからこそ、それぞれの年代・段階で必要な要素はできるだけその瞬間に学べる環境を整備することが求められる。サッカーメカニズムを徐々に知っていくことは選手本人にとって大きなプラスになるのだ。
中盤の活かし方を身に着けるという点でU11年代では、少しずつ複数選手が絡んだパスワークのパターンを学んでいきたい。
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