中野吉之伴フッスバルラボ

「攻撃時にボールを失った場合、どのような選択肢があるだろうか」。ドイツでは育成世代から3パターンを使い分けるように指導する

サッカーはミスのスポーツだ。

様々な理由でボールを失う可能性がある。ミスが起こるのは当然だからある意味、仕方がないこと。だからといって「ミスをしてもいいよ。ドンマイ、ドンマイ!」と笑っているだけでは、同じミスを繰り返してしまう。「なぜミスとなったのか?」を分析し、練習に落とし込み、「どんなプレーだと次につながり、良いプレーなのか?」を整理していくことは選手にとっても、指導者にとっても欠かせないことだ。

とはいえ、事細かく「ミスをした」ことに固執し、外から毎分毎秒のように指摘し続けてもその声は選手には届かないし、それどころか返って逆効果になることは忘れてはならない。特に試合では「ミスをした」こと以上に、「ミスが起きた後にすべきプレー」を追及していくことが求められる。ブンデスリーガのライプツィヒでスポーツディレクターを務めるラルフ・ラングニックは、かつてこう表現した。

「我々のサッカーにパスミスというものは存在しない。パスが味方に渡らなければ、すぐに奪い返せばいい。狙いがある中での攻撃的なパスミスはゴールへのプロセスなのだ」

ミスはできるだけ起こしたくはないけど、必ず起こりうるものだし、当たり前のこととして次のプレーへ瞬時に移行していくことが大切なのだ。では、攻撃時にボールを失った場合、どのような選択肢があるだろうか。

1.ゲーゲンプレッシング
ボールを取られた後に下がらず、そのまますぐ奪い返しに行く

2.部分リトリート
ボールをすぐに取り返すチャンスをうかがいながらも、相手にカウンターを許さないように布陣を整える

3.完全リトリート
すぐに帰陣して布陣を整える

大きく分けて、この3つに分けられる。それでは、一つ一つ解説していこう

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