中野吉之伴フッスバルラボ

育成年代では、マンマークとゾーンの特徴を知ることが重要。そして、戦術理解を深められるゾーンをいくつか身につけることが大事だ

▼「守る」とは何だろうか?

今回のテーマはそこに焦点を当てたい。前回は「ボールを失った時の選択肢」について考察したが、大きく分けたら「ボールをすぐに奪いに行くのか」、あるいは「守備組織を整えるのか」の二者択一だ。さらに「ボールをすぐに奪いにいく」ゲーゲンプレッシングに多少触れたので、今回は具体的に「どのように守備組織を整えるべきか」について掘り下げてみたいと思う。

「守備組織を整える」とはどういうことだろうか?

「何を守るのか」の優先順位はポジションとエリア・状況によって変わる。根源的な目的は「ゴールを守る」だが、そのための最もわかりやすく具体的な目的は「ボールを奪い返す」となる。

・1対1で奪い取る
・相手のパスをカットする
・相手のミスを誘う
・こぼれ球を拾う …etc.

上記の4つは、そのための手段だ。だからといって、いつでも狙い通りにボールを取り返せるなら苦労はしない。ボールを奪い返すことが目的だといって、相手に守備網をかいくぐられたら失点してしまうわけだ。「攻撃時の選択肢」で触れたが、相手は段階的に攻撃を挑んでくる。

・ペナルティエリアからシュートに持ち込む
・ペナルティエリア付近で攻撃の起点を作る
・相手守備を揺さぶる
・攻撃の準備としてビルドアップする

守備では逆を考えればいい。

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