「攻撃から守備への切り替え」はトレーニングの中に要素として組み込まなければ習慣として身につかない
▼いかに「攻撃から守備への切り替え」をスムーズに行うか。
それはサッカーにおける非常に重要な要素だ。シュートを外して頭を抱えたり、ドリブルでボールを取られて足を止めたりする。残念ながら日本代表の試合でもこういうシーンを目にすることがある。
シュートが敵に当たって跳ね返る。
悔しそうに頭を抱える。
だが、その瞬間にも試合は続いているのだ。慌てて走り出したが、もう遅い。相手はカウンターから頭を抱えた選手がいるべきだったサイドを崩してビックチャンスを作り出した。狙い通りのプレーがうまくいかなかったら悔しい気持ちになるのはわかるし、その気持ちは大切なことだ。あるいは、味方やベンチから「何をやっているんだよ」と言われた声を気にしてしまうこともあるだろう。
ただ、サッカーとはミスがつきものだ。ボールを取られたり、パスがつながらなかったり、シュートが相手に当たったりするのは普通に起こることだ。プレーは続いている。だからどれだけ悔しい思いをしながらでも、すぐに次のプレーに移ることが求められる。
ボールが一度ラインの外に出ている状態なら、まだ悔しさをあらわにすることも許される。深呼吸をして気持ちを落ち着けることもできる。ただ、ピッチで試合が続いている限りは、すぐ次のプレーを考えて、体を動かすことは絶対的に必要であり、重要であり、大事なことだ。
ボールロスト=ボールのコントロールが自分たちの手から離れること。
この現象は、サッカーゲームにあるメカニズムの中の一環ととらえなければならない。そのためには、思考的に「攻撃だけ、守備だけ」にならないように、小さい頃から習慣づけることが必要不可欠である。「僕はFWだから」と前線にとどまって攻撃だけする子がいる。でも、FWは攻撃だけをするポジションではない。相手の攻撃を黙って見ているのはどうだろうか? 奪われたボールを取り返すのはDFの仕事なのか? 試合の流れの中でDFが数的不利になることは何度もある。そんな時に「僕はFWだから前でパスが出てくるのを待っているんだ」という判断はどうだろうか? ポジションがプレーを決めるのではない。ボール、敵・味方の位置関係、試合の状況でやるべきプレーは変わってくる。
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