育成年代で身につける守備戦術の基本「ドッペルン」を覚え、積極的に仕掛ける守備ができるようになればサッカーの楽しみが増える
▼守備時にこれだけを行ってもボールは相手が持ったままだ。
・守備組織を整える
・スライドで相手の展開に対応する
・自由に攻撃させないため、ボール保持者にはすぐ距離を詰める
いつまでも耐え忍び、相手のミスを待つばかりの守備は心身ともにしんどい。だが、確かに終わったばかりのワールドカップを振り返っても、「相手の攻撃に辛抱強く対峙し、最後のところで攻撃を跳ね返す」という守備をベースにしている国が多かった。サッカーは相手のあるスポーツだ。相手との力関係によっては、我慢する時間が長くなる試合もある。
しかし上位に残った国々には、そうした我慢の時間帯でも「スキあらば、そこでボールを取りに行くぞ」という仕掛けの姿勢が必ずあった。優勝したフランスを守備的なサッカーと評する声が聞こえてこなくはないが、彼らにしてもボールを奪いに行っていないわけではない。相手のちょっとしたボールコントロールミス、判断ミスを狙うだけではなく、そういう状況が起こるようにチームとして仕掛けていた。それは自分たちが優位に試合を運ぶためには「ボールを取り返す」というアクションが必要になるからだ。
そこで、今回のテーマは「プレッシング」についてだ。
プレスやプレッシャーという言葉で説明されているが、ここでは「プレッシング」で統一する。プレッシングとは、自分たちから主導的にボールを奪いに行く手段で、「前からのプレッシング」「中盤からのプレッシング」「深い位置からのプレッシング」「ゲーゲンプレッシング」と大きく4つに分けられる。
はじめから深堀りしすぎると頭の中がごちゃごちゃになるので、今回は基本的なプレッシング理論についてのみ取り組む。ただ、プレッシング一つにしても「どの位置で、どのようにプレッシングを仕掛けるのか」という解釈から4つに分類されていることについては覚えていて損はないと思う。
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