限りある時間の中で、子どもにとって必要でやりたいこととやらなくてもいいことを考えたことはあるか。詰め込みは心の負担を増やすだけ!
▼自主練習やスクールは不要なのだろうか?
前回の特集記事(10月特集「サッカーを指導するには何を学ぶべきか」vol.2)では、「選手面からのアプローチ」について考えてみた。その中で、特に大切だと強調したのは次の4点だ。
・体のケア
・頭のケア
・心のケア
・人間関係のケア
所属チームの練習に加え、スケジュールの隙間をすべて埋めるように、スクールや自主練習をギュウギュウに詰め込み、毎日のようにサッカーばかりをやることのデメリット・危険性を指摘した。
では、自主練習をがんばること、スクールに参加することが悪いことだけなのだろうか。私は、そう言っているわけではない。それぞれにメリットはある。そもそも、自主練習は私自身も行っていた。高校の部活がない日に近所の公園で壁打ちをしたり、弟と1対1をしたりしていた。ボールを蹴っている時間が楽しかったし、いつまでも蹴っていたいと思っていた。ちょっとずつうまくなっている実感だってあった。だから、本当にうれしいし、もっとやりたいなというモチベーションを持っていた。
自主練習とは、そもそも自主的に取り組むトレーニングのことだ。
それが「やらなければならない」課題のようになってしまってはいないだろうか。「親に言われたから」「コーチに言われたから」と義務的な運動の繰り返しになってはいないだろうか。そうした中での反復練習ではそれぞれの選手にとってプラスになりにくい。さらには、「その技術や動きをどのように使おうか」というアイディアだって自発的には生まれてこない。選手の心に残るのは「自主練習」的なものを毎日やっている慰めの気持ちだけだ。
そういえば、池上正さんが8月にドイツへ研修旅行に来ていた際に、私の息子とこんな話をしていた。
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