中野吉之伴フッスバルラボ

「今日もサッカーの練習だ」とワクワクする指導とは何か?

▼帰国中は各地でトレーニング実践を行う。

当日はグラウンドに立地、様々なことを確認する。どんな用具があるのか、何人の子どもが来るのか、どのくらいのことができるのかは、事前にリサーチをしているけど、結局顔を合わせて子どもたちの様子を見て、練習での反応を受けて、いろいろとあの手この手を考えるしかない。だから、集まって来ている子どもたちがどんなことをやっているかをつぶさに観察する。

そんな日本でのトレーニングでちょくちょく気になることがある。

小さな子どもたちがボールを蹴っているとそのチームの監督が集合をかけ、ランニングがスタートしたりするのだが、「ファイトー」「オー」的な声がついてくる。日本だと当たり前かもしれない。私も学生時代その声を何の疑いもなく出していた。アピールしようと誰よりも声を出そうともしていた。

でも、正直不思議な光景だ。これって何のためにやっているんだろう? 元気感を出すため? 一致団結感を出すため? 声を出すことの大切さをわからせるため? そうなのかもしれないが、そのためにこの「声出し」をやる必要はどの程度あるのだろうか?

元気感や一致団結感を出すためなら、みんなが元気にチームやグループとして取り組める練習メニューをやった方が効果も効率も浸透性もある。「日本人は内気で声を出さないから」という声を聞くこともあるが、でも、強制された声出しが「内気」を解消することになるとも思えない。

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