トレーニングで重要なのは負荷と休息のバランス。休みなくして選手は成長しない
▼トレーニングをプランニングするとき、欠かせない要素の一つに負荷設定が挙げられる。
ただ闇雲に厳しいトレーニングばかりをしても実にはならない。どれだけ走りのトレーニングをやったとしても、それに最適な負荷設定がされていないと、やっても身につかないどころか、選手の体をただ傷つけ続けることになる。
例えば、「日本の小学生が疲労骨折をしてしまう」度合いは世界的に見て驚くほど高い。友人のスポーツドクターは「なんで小学生は疲労骨折をしてしまうんだ」といつも嘆いている。安静にしなければならないケガを抱えて通院して来たのに、「明日までに治してほしい」という親が後を絶たない話も耳にする。病院に行くことを嫌がる指導者が、いまでも普通にいる。これは大げさでもなんでもなく、ただ異様であり、ただ異常だ。
はっきり言って、よくないことだ。
選手の能力を無理なくしっかりと伸ばしたいのであれば、必要な知識を身につけ、練習に活用するべきだろう。そこで今回は基本的な負荷・トレーニング原則について取り上げてみたいと思う。ぜひご一読していただきたい。
【基本トレーニング理論】
トレーニング
↓(負荷をかける)
コンディショニング能力の低下
↓(休養を取る)
コンディショニング能力の回復
↓(トレーニング前よりもパワーアップ)
超回復
これが最も基本的な成長のプロセスだ。トレーニングをすると使われた筋肉組織はそれぞれの負荷に応じて傷つく。そして、傷ついた筋肉組織は休養を与えることによって回復する。その際、トレーニングで経験した負荷に今度はしっかり耐えられるようにと練習前よりも強い状態にまで強化される。この現象を『超回復』という。
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