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中野吉之伴「子どもと育つ」

理想的な指導者と選手の関係性を築くために必要なことは?元オリンピック3冠監督から学ぶ信頼を築き上げるためのヒント

▼前回の記事では国際コーチ会議におけるマルクス・バイスの講演内容をまとめてみた。

選手に対してどのようにアプローチをすれば、それぞれが自分の力を発揮できるチームとしてまとめ上げることができるだろうか。バイスは陸上ホッケードイツ代表監督としてオリンピックで男女合計3度も金メダルに導いた名将だ。普段接している選手とはトップレベルのアスリートということになる。だからとバイスの話はトップアスリートとの関係に対してしか使えないというものではない。指導者とは、指導とは、というとても原則的、根本的な示唆を多分に含んでいる。ぜひ、じっくりと読んで、自分自身と向き合って考えてみていただきたい。

指導者が頭に描いている理想的な選手イメージと選手のそれとが必ずしも一致するわけではない。気をつけないと、指導者からの要求が選手にとってはただの押し付けにしか感じられないときがある。選手は指導者と対峙した時に、自分の能力をしっかりと把握して、認めてくれて、成長・発展させてくれるかどうかを見定めようとする。その両者の思いが行き違いになってしまうと、お互いの力がかみ合うことはない。だからこそ、選手とともに同じ絵を描けるように、コミニュケーションを取り合って、成長していこうとすることが大切だ。

そのためには指導者としての価値を各々がしっかりと認識するべきだ。では選手に指導者からの要求を押し付けや難題としてではなく、大切な指針・課題として受け止めてもらうためには、どんなことに気をつけなければならないだろうか。

互いの信頼関係がキーファクターになる。そのためには正直であることがまず求められる。言葉に裏表ばかりがあると、その言葉を選手は信用できなくなる。自分に言ったことと、他の人に言ったことが違えば疑わしくなる。自分に対してどのように思っているのか。どのように育てようとしてくれているのか。それがはっきりわからないと選手は不安になってしまう。嘘をつかず、ごまかさず、正直に向き合うということは、相手にリスペクトを示す大きな証の一つになる。

決断の一つ一つに一貫性があるかどうかも大切だ。「この前言ったことと違うじゃんよ」というのが続くと、選手には不満が募っていく。違う決断をするときにも、相手が納得できる論理的な説明を準備されなければならない。決断が行き当たりばったりにならないように、前もってしっかりと指導指針・プレーイメージをまとめておくことが大事だ。

そして、指導者が自分のことを信頼してくれているという感情を選手に持ってもらうためには、まず自分が選手のことを信頼しているということを大切にしなければならない。ミスを受け止め、それを一緒に改善していこうという姿勢を示し、選手の長所を見つけ出して、それを大切にしていこうとサポートしていく。具体的にはどんなアプローチの仕方があるだろうか?レアルマドリードやバイエルンでスター選手を見事に掌握していたユップ・ハインケスは常々「リスペクトとは一方通行であってはいけない」と口にしていた。例えばフランク・リベリーのような選手にはどのように関わることが求めらるのだろうか?

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