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中野吉之伴「子どもと育つ」

目標をどのように立てるのか。響きのいいキャッチコピーを探すことが目的ではなく、質問を通してどんどん深掘りしていく機会が大切だ

▼合宿という非日常的な空間でチームとしてまとまりあう

先日、フライブルガーFC U13ではチームビルディングと基本的なチームの戦い方の整理をテーマに2泊3日の合宿を行った。前回のコラムではその目的や意図についてをまとめたので、今回は実際にどんなことを行ったのかについて振り返っていこうと思う。

その前にまず宿泊場所に関してもう少し。当初近くにあるユースホステルや安めのペンションを利用したらどうだろう?という声もあったが、最終的に体育館でのみんなで雑魚寝を選んだ。保護者の方の好意で折り畳み式の簡易ベットを手配することはできたとはいえ、寝心地の良さで言えば普通のベットの方がはるかにいい。それでも、みんなで場所と時間を共有し、共同作業をすることの方が今回は大事だった。誰が、誰の隣に寝るとか、どこに場所を取るとかは全部自分たちで相談して決める。簡易ベットの組み立て、片付けなども自分たちでする。快適さとは、心地よさとは与えらえるものではなく作り上げるもの。そうしたものを子どもたち同士て共有することが大切だと思うのだ。

金曜日の16時にクラブに集合したあと、みんなで分乗して出発。車でスイスの国境を沿うように移動し1時間ほどで目的のラウホリンゲンだ。私はどうしても外せない別用があったために、電車であとから駆けつけなければならなかったので、この日のプログラムはコーチのマヌとマルクスに任せてあった。体育館のカギを受け取り、みんなで寝場所を作り、クラブハウスで夕食を食べて、しばらく休憩したあと、人工芝のグラウンドに照明をつけて1時間ほど思い思いにボールを蹴ったという。

車での移動中に一人の子が気持ち悪くなってしまったり、到着した後に気持ちが高ぶったのか泣きだしてしまった子もいたりしたが、とりあえず私が到着したころには、みんな元気そうにしていた。多少の興奮状態ではあったけども、そっちの方が普通だからむしろそれはいいことだろう。こちらでは小さいころから泊りがけのイベントや合宿というのをそんなにしない。だから彼らにしてもみんなでの合宿というのは2度目。私にしても、ドイツで指導者をして15年になるが、チームでの泊りがけのイベントとなると、数えるほどしかやっていない。だからこそ、その一つ一つがとても印象深く心に残っているというのはある。

土曜日は7時30分に起床。着替えを終えると体育館前に集合して30分ほどの散歩にでかけた。散歩は体だけではなくて、全身の筋肉をほぐし、血流を良くし、新陳代謝を高めることで、気持ちや頭を目覚めさせる効果もある。午前中に練習を行う場合は、散歩して少し体操をするくらいがちょうどいい。すっきりとした状況で朝ごはんを食べられるし、いい状態でトレーニングに入れる、というわけだ。そういう意味でラジオ体操はとても理にかなったものだ。何時に行うかは考慮する必要はあるが。

余談になるが、もし午後や夜に試合がある場合はどうしたらいいだろう。ドイツの世代別代表では午前中に体を活性化させるためのトレーニングを行うのが通例だ。コーディネーション系のトレーニングを多く取り入れることで、関節の可動域、筋肉の収縮加減にアプローチし、身体の機能を少しずつじっくりと機能させていく。負荷的には身体がしっかりとあったまり、汗をかくところまでもっていく。息が上がったりするほどの激しい運動は禁物だ。新陳代謝どころか、余分なエネルギーを使うことで、回復の方にエネルギーが使用されてしまう。もちろん、こうした活性化トレーニングをやっておけばすべてがうまくいく、というわけではないが、試合に向けて、可能な限り自分たちのコンディションを最適に調整していくことは間違いなく重要なテーマになる。

さて、散歩から一度体育館に戻った私たちは、練習用の荷物をまとめてクラブハウスに向かい、そのままミーティングルームでチームミーティングを行った。適度な散歩のあとなので頭もすっきりしている。テーマはシーズンの目的をチームみんなで設定することだ。

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