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中野吉之伴「子どもと育つ」

SCフライブルクU12と戦術的な駆け引きが多くみられる好試合。選手の成長を強く感じた

▼ブンデスリーガの育成クラブとの対戦!

10日(金)にSCフライブルクのU12とリーグ戦で対戦した。1学年下とはいえ、地域にいるベスト選手で構成されているだけに、どの選手も非常にレベルが高いし、当然チームとしての戦い方も賢い。そんなチームを相手に公式戦で試合ができるというのは、うちの選手にとっても、そして私たち指導者にとっても、非常に刺激的で、魅力的なゲームだ。またリーグ戦という性質が、互いにサッカーの質でもベストを尽くそうという大事な要素となっているわけだ。一発勝負のトーナメントではなく、ホーム&アウェーで戦えることでこの試合の内容を次戦にいかすことができる点が何よりのメリットだろう。この辺りは、ドイツでサッカーに関わる中で、いつも感じている。

今回はそんなSCフライブルクとの試合で見られた戦術的な駆け引きを取り上げてみたいと思う。

9人制でのシステムは各チームそれぞれの志向と哲学でいろいろな形がとられているが、大きく分けると、4-2-2と3-2-3の二つが主なシステムだと思われる。うちのチームは昨シーズンまで3-2-3で戦ってきていたために、ここまではその流れを踏襲していた。ただ、ここ最近4バックのチーム相手との試合が続く中で、前線の選手がどうプレスに行くか迷ったり、不用意な仕掛けでピンチにつながったりというシーンが修正できないでいた。3-2-3の形からでも相手の4バックにうまくプレスをかけて、逆に自分たちに有利な形に持ち込むことはできるが、そのためには相応の戦術理解が必要になる。まだうちの選手にとってはそこまでの段階に来ていないと判断し、先週のトレーニングでは4-2-2の形からどのように守備に入り、どのように攻撃に移るのか、というところをテーマに練習を行ってきた。

プレスをしかけるうえで大事なのは相手がボール保持から攻撃に移る際にパスの出口を意図的に防ぎ、自分たちが数的有利を作れるエリアに誘導し、そこで一気にボールを奪取することだ。そのためにまず大事なのが、相手の位置を把握したうえでの最初のポジショニング。そしてそれが一番わかりやすくでるのが、相手ゴールキックの時だろう。

最初の位置取りからプレスの流れに持ち込むうえで大事なのは、相手に多少のゆとりを持たすことだ。完全にパスコースを消してしまうと、そこにパスをだそうだなんて誰も思わない。それならば、前線でポイントを作り、その周りに選手を集めて、ロングボールから一気に相手守備の裏を狙う方が効率がいい。もちろん、そうした攻撃に対してしっかりと跳ね返せるようになければならないし、そこで優位に立てるなら、蹴らせるというのも大事な選択肢にはなる。ただそれだけになってしまったら、選手はいつまでもプレスの仕方、流れというのを知ることができない。勝てているから、優位に進めているからそれでオッケーということにはならない。サッカーにおける現象を可能な限り、体験できるようにすることは育成において非常に大切なのだ。

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