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中野吉之伴「子どもと育つ」

スポーツ大国のマイナ―スポーツ。ドイツの野球を通じて見えてきたもの

こんにちは。編集・管理担当のゆきのです。

先月の台風15号、そして今回の台風19号と、二度の強烈な自然災害に見舞われた日本列島。被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。1日も早く平穏な毎日が戻ることをドイツより祈っております。

本日の無料コラムでは、今月に入ってからREAL SPORTに掲載された中野吉之伴の2本の記事をご紹介いたします。今回はサッカーではなく、野球の記事です。サッカー指導者である中野吉之伴がなぜ野球の記事を?と思われた方、まずは記事をお読みください。

 

知られざるドイツ野球の世界で戦う日本人 無名選手が新天地でつかんだ「野球ができる希望」

 

日本野球界に忍び寄る「消滅危機」はどうすれば止められる? スポーツ大国ドイツからの提言

 

2本とも、ドイツの野球ブンデスリーガ1部に所属する、ケルン・カージナルスの片山和総選手に取材させて頂いて書いた記事です。大学卒業と同時にドイツに渡った片山選手は、そこで日本とは全く異なる野球の姿に出会います。

「ドイツでは野球ってどんなスポーツかを知らない人が圧倒的に多い。日本だったら誰に教わるでもなくキャッチボールを自然とする子どもも多いが、ドイツではボールを投げて取るという動作自体が当たり前ではない」

「うちのシニアチームもおじさんたちの草野球みたいなチームなんですけど、半分くらいは『最近野球始めました』みたいな人たちなんです。でも、みんなちゃんと週12回の練習にも来ますし、試合も一生懸命にやる。スポーツのあり方が違うんだなって思うんです」

野球の知名度や人気、競技人口だけで言えば、日本のそれはドイツと比べ物にならないほど大きいかもしれません。でも、野球が好きで、楽しくて、試合に出られて、社会人になってもシニアになっても野球を続けられている人はどのくらいいるんだろう?片山選手の言葉を聞くとそんな風に思わざるを得ません。

ドイツで活躍するかたわら、帰省時には日本の少年野球の現場にも足を運ぶ片山選手。そこで目に入るのは、監督に怒鳴られることで委縮し、試合に出られず、野球から離れていく子どもの姿です。

「リーグのシステムがあることが大事というか、それがあるからやりたい子ができる。公式戦の数は多いですし、みんなが試合に出られる環境がある。日本は野球がメジャーすぎて、1チームに多くの子どもが所属していて、小学校・中学校を卒業するまで全然試合に出られない子もいる。試合に出られる環境があるという意味ではもしかするとドイツのほうがいいんじゃないかなと思います」

「乱暴な言葉かもしれませんが、日本の野球界は『日本の野球』の上にふんぞり返っているんじゃないでしょうか。野球をやりたい子は勝手に何人でも出てくるし、いい選手は何人でも勝手に出てくると思っているのかもしれません」

片山選手自身、中学・高校と厳しい指導のもと野球を続けてきました。苦しい練習に耐えたにも関わらず、高校時代にはベンチ外で過ごすことも多かったそうです。日本では常識になってしまっているかもしれない野球部の光景ですが、ここドイツでは、まず「野球が楽しい」「だからたくさん練習して、たくさん試合に出たい」というシンプルな気持ちで野球に向き合える環境がありました。プロクラブからアマチュアクラブにも成人トップチーム・セカンドチーム・育成チームが組織され、リーグ戦がトップから下部まで浸透し、 「好き」という気持ちを持ったまま、自分に合ったチームに所属して競技に向き合い、成長し、長いスパンで続けていくことができるドイツの野球。

同じ状況はサッカーにおいてもあります。厳しすぎる練習や、試合に出られないこと、トーナメント戦の弊害や、学生生活が終わったらそこで競技人生も終わりという風潮。その中で競技を続けている子どもたちにとってはそれが当たり前のことになってしまっています。子どもは、自分の好きなスポーツは選べても、その競技環境までは選べません。「スポーツが好き!」といって飛び込んでくる子どもたちのために、より健全で楽しい環境を作るために、私たち大人にどんなことができるのか。そんなことを考えさせられた片山選手の記事でした。

ここからは余談ですが…私がこの「子どもと育つ」で最初のコラムを書いたとき、普段はサッカーに明け暮れる小6の息子が野球にも興味を持ち始めたことに触れました。

あれから2カ月。長男は本当に野球を始めました。夏休みに何度か野球体験教室に参加し、「今シーズン火曜日と木曜日が練習日なんだって!サッカーは月と水だから両方行けるよ!俺野球やる!」とものすごい意気込みで帰宅した長男。親としては反対こそしませんが、かなり不安ではあります。かけもちで体に負担はかからないのか。学校の勉強に支障は出ないのか。週末にサッカーと野球の試合が重なったらどうするのか。夫と本人とで何度か話し合いましたが、どうしても両方やりたい!という意志は固いようです。学校の成績や体調に影響が出るようならどちらかに絞る、ということだけ決めて、ひとまず新シーズンからの練習に送り出してみることにしました。

かけもち生活が始まってから1カ月が経とうとしていますが、好きなことに打ち込めているという手ごたえがあるのか、彼はサッカーからも野球からも、ものすごく良い顔で帰ってきます。練習時間と睡眠時間を確保するため、学校の勉強も以前より集中して効率よく終えようと心がけているようで、今のところなかなか良い生活リズムで暮らしています。

リーグ戦が始まって、試合デビューするのは来春の予定です。始めのうちこそ不安だらけでしたが、長男のデビュー戦が今から待ち遠しい今日この頃です。

今週もお読みくださりありがとうございました!来週もよろしくお願いいたします。

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