2020年Jリーグ戦術大予想(西部謙司)

中野吉之伴「子どもと育つ」

サッカー、英語、ガーデニングから自転車修理まで。ドイツ流クラブ活動“AG”の話。

こんにちは!水曜日無料コラム担当のゆきのです。

6年生の我が家の長男は、学校でコミッククラブ(AG)に所属しています。先日はこのコミックAG所属の子どもたちの作品展が開かれたので何度か見に行ってきました。

会場はフライブルク市内のギャラリースペース。ガラス張りの建物の角なので、通りがかればいつでも見られる場所にあります。なかなかの大作で、のびのびと制作した様子が伝わってきます。

今日はこのドイツ流のクラブ活動“AG”について書かせて頂きたいと思います。

このWebマガジンを読んでくださっている方の中には、学校の部活動で顧問をされている方や、お子さんが部活動に所属しておられる方もたくさんいらっしゃると思います。多くの中高生や教員の皆さんが関わり、学校生活でも大きな比重を占めるこの「部活動」という課外活動のスタイル、実は日本独特のものであるということはご存知でしょうか?日本以外の多くの国では、子どものスポーツや文化活動の場は、学校と地域のクラブ両方にまたがっていたり、あるいは地域のクラブのみがその活動を担っているところがほとんどです。

参考:運動部活動は日本独特の文化である――諸外国との比較から 中澤篤史 / 身体教育学

というわけで、私は自分の子どもが小学校に入学するまで「ドイツには部活動がない。だから子どもは授業が終わったら帰宅するか、学童に行く」の2択しかないとばかり思っていました。

ところが、子どもが小学校に入学すると、学校の入り口にたくさんの貼り紙が。「〇〇AG、参加者募集中!」「××に興味はありませんか?いっしょに××AGで活動しましょう!」

AG?なんだろう?

AG”はアーゲーと読み、ドイツ語のArbeitsgemeinschaftを略したもの。日本で言う「クラブ」「同好会」に近い感覚でしょうか。

多くの学校が、このAGを通じて子どもに放課後の様々な活動の場所を提供しています。活動内容はサッカー・ハンドボール・卓球・陸上などドイツで人気の定番スポーツから、比較的マイナーなスポーツ、ボードゲーム・語学・美術・音楽・手芸など文化系の活動、さらに料理・ガーデニング・自転車の修理などなど実用的なものまで非常に多岐にわたります。

活動は週に1回、45分~90分程度が基本。子どもの参加費は無料~年間10ユーロ程度である他、参加条件として親が学校の後援会に加入すること(年会費30ユーロ程度)などが義務付けられているケースが多いです。

活動場所は放課後の学校。そして日本の部活と大きく異なるのは、学校の外部から講師を招くことが多いこと。学校の後援会や教師・保護者のツテなどを通じて講師を探したり、保護者が自分の子どもの通う学校の子どもたちのためにと、一肌脱ぐケースもあります。実際、私の友人は長年の趣味であるダンスのAGの講師をつとめていますし、私もママ友からAGの講師をやらないかと誘われたことがあります。ドイツの先生方は、基本的に課外活動であるAGとは直接関わりません。もちろん、授業に加えてAGでも子どもたちに自分の得意なことを教えたいという先生もいらっしゃいますが、比較的少数派のようです。報酬はボランティアか、もしくは1回につき10ユーロ程度の少額の謝礼が支払われることが多いようです。

「クラブ」や「同好会」に近い感覚なら、試合や遠征はやらないのかな?と思っていると決してそんなことはありません。年に12回程度ではありますが、学校対抗の試合や大会はドイツにもきちんと用意されており、子どもの年齢によっては地区大会、州大会、全国大会まで勝ち進めるケースもあります。文化系のAGにもコンクールがありますし、冒頭に書いたように学外で展示・発表を行ったりと、学校によって程度の差はあるものの、学校外でも積極的に活動しているところも多く存在します。

大会で勝てば全校集会で表彰されたり、地元メディアに取り上げられたりすることもありますが、だからといって学校の名誉や期待を背負って大会に出場するような気負い方はしていないのがドイツらしいところでもあります。

ドイツほど地域のスポーツクラブが充実している国で、さらに学校でもAGは必要なのだろうか?と思ったこともありますが、息子たちやその友人を見ていると「一番好きな種目を地域スポーツクラブで週23回やって、2番目に好きな種目を週1AGで」という楽しみ方をしている子もいれば「スポーツクラブでチームメイトと練習や試合をするのと、学校のAGでクラスメイトとプレイするのとではまた違う楽しみ方がある」など、AGが個別の状況と興味に応じて、放課後の活動の選択肢を増やしてくれる魅力的な場所になっていることがわかります。自分の好きなこと、興味のあることができる場所が家の近所にない!という子どもにも、そもそも自分の好きなことが何なのかまだよくわからない!という子どもにも、学校のAGは強い味方です。何より、AGの多彩なラインナップを見ていると、子どもの興味や関心の受け皿がこんなにも広く用意されていることに感動すらしてしまいます。そしてそのAGの在り方の根底には「子どもが自分の好きなことを見つけて、自分なりのペースで向き合い、周囲はそれを尊重し、その成長をサポートする」という基本姿勢が大切にされているのではと感じます。

ちなみに地元のプロサッカークラブであるSCフライブルクも、地元の学校と提携してこのAG活動に積極的に関わっています!そのお話はまた次の機会に書いてみたいと思います。

今週もお読みくださりありがとうございました!来週もどうぞよろしくお願いいたします。

(写真はイメージです。3~5枚目は写真ACの写真を使用しています)

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