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中野吉之伴「子どもと育つ」

コーヒーとサッカー。食とコミュニケーションとスポーツの話

こんにちは!「子どもと育つ」管理・編集人のゆきのです。ここ数日、ヨーロッパでも、コロナウィルスの感染拡大がじわじわと日常生活に影響を及ぼしています。フライブルクではカーニバル期間中のため、もともと学校は10日間のお休み中。それ以外でイベントが中止されたり、規模が縮小されたりといった措置は今のところ取られていませんが、日々状況が変わるにつれて、人々の不安感が強くなっているのは事実です。普段は売られていない使い捨てマスクがドラッグストアに並び始めたり、消毒用のスプレーやウェットティッシュなどが品薄になったりと、目に見えるところに確実に影響が出て来ています。本来なら、2月下旬のカーニバルを皮切りに、春に向けたイベントが続くはずのこれからの季節。先の見通しが立たず不安がつのる今日この頃です。

本当なら、思い思いの仮装をした人たちがカラフルなパレードを楽しむのがこの時期なんですが…。

人が集まる場の話題もなんとなくしづらい気もしますが、今回の無料コラムではドイツの食とコミュニケーションについてご紹介します。

以前このコラムでもご紹介しましたが、ドイツでは、何かお祭りやイベントごとがあるたびに、学校やスポーツクラブ、文化系クラブ、地域住民の団体が手作りの飲食品を提供する屋台が設けられ、収益金がそれぞれの団体の活動資金に充てられるという習慣があります。

学校や公益法人、趣味のサークルなどの収入源として欠かせないこの素人屋台ですが、利用者の目線で見てもこれはとてもありがたいのです。ドイツ人はコーヒーやお茶、ビールやワインを片手に仲間と談笑したり、イベントを楽しんだりする時間をとても大切にします。せっかくのイベントに飲み物も軽食もないのは、物足りないし寂しいと感じてしまうのがドイツ人。子どものサッカーの試合でも、横にコーヒーとワッフルの小さなスタンドがあるだけでついつい買いに走ってしまうのがドイツ人。コンビニも自動販売機もほとんどないといっていいこの国で、手作りの小さなフードコートは、イベント来場者にとってはなくてはならないオアシスのような存在です。

長男の通う学校の夏祭り。右奥のステージでブラスバンドが演奏する横で、左奥の飲食コーナーは長蛇の列です。

街ぐるみの大きなイベントから、フリーマーケットや学校行事、スポーツクラブの試合やアマチュアサークルの音楽祭といった小規模のイベントに到るまで、人が集まる場所には必ずといっていいほど用意されている手作り屋台。先日、長男の通う学校で保護者面談が行われた際にも、生徒有志がロビーにお手製の喫茶コーナーを用意し、「面談お疲れ様でーす。コーヒーとケーキでリフレッシュしませんか?」としっかり営業していました。売り上げはきっと、修学旅行の資金の一部になるのでしょう。

息子たちのサッカーチームでも、サッカーの大会のたびに保護者有志が手作りスイーツやホットドッグ、サンドイッチやフライドポテトなどを販売し、売り上げをチームの運営資金に充てています。ドイツのスポーツクラブの年会費が比較的安価なのは、行政からの支援や税制上の優遇措置などもありますが、1つにはこの「必要なお金は自分たちで稼ぐ」というスタンスによるところも小さくないのです。

それに加えて、多くの地域スポーツクラブは、グラウンドの敷地内やクラブハウス内にスポーツバーやカフェレストランを設けています。ドイツのスポーツクラブを日本から視察に来られる多くの方は、この点に驚かれるようです。飲み物と軽食だけの小さなスペースがあるだけでも、ここでの過ごし方がかなり変わります。保護者が子どもを見守りながら休憩することもできますし、子どもたちがおやつを食べたり、帰宅前に軽く食事を済ませることもできます。勝ったときの打ち上げや負けた時の反省会、シーズンの節目に行うお疲れ様会など、クラブ内でのイベントの場もここです。

小さな村だと、「グラウンドの横のピザ屋がその村の唯一の飲食店」だったりすることもよくあるので、スポーツと関係なく地域住民が集う場としても、クラブハウス併設の飲食店が機能しているようです。ワールドカップや欧州選手権、代表戦といったビッグマッチの日には、クラブに所属している人もその家族も近所の人も、ここで大型テレビの前に集合して一緒に観戦します。クラブハウスがただの施設ではなく、人と人を強く結びつける場所として機能しているのです。

カメラ兄さんさんによる写真ACからの写真 

負けた試合のあとで焼きたてのワッフルで温まったり、勝った試合のあとでコーラとフライドポテトで乾杯したり。人が集まるとき、その輪の中に必ず食べ物と飲み物がある風景は、とても素敵だなと私は思います。味とか栄養とか、食で大切なことはたくさんありますが、どこで、だれと、どんな風に食べるのかということもすごく大切ですよね。食べることや飲むことは、それだけで終わるものではなく、人と人とが関わり合うということと密接につながっている行為です。それが気軽にできる場所が、ドイツのスポーツのすぐ隣にいつも存在しているのは、とても豊かな光景だといつも感じています。

今週もお読みくださりありがとうございました。来週もよろしくお願いします!

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